エジプト皆既日食ツアーリポート その0 こうしてツアーは始まった。  BACK  NEXT

2006年3月29日、南米−大西洋−北アフリカ−中央アジアにかけて皆既日食が見られました。日本からは、主に、リビア・エジプト・トルコなどに、でかけた方が多かったようです。私は価格と観光のエジプト、しかも、前日、観測地にテント泊するコースにしました。旅行記をぼちぼちアップしています。ツアーでお世話になった皆さん、ありがとうございました。ここで御礼申し上げます。

ツアーとの馴れ初め!
昨年10月スペインでの金環食は、期待以上に楽しめました。 特に、金環食最中や前後の、Hα像は、普段よりも、ずっとプロミネンスが沢山見えて、結構ぞくぞくしました。金環食でも、これだけ楽しめるのだから、皆既日食は、失神物だと思いました。2009年のトカラ日食は絶対に行こうと決心しました。
今年3月に中東などで皆既日食がある事は、知っていましたが、
スペインの半年後ですし、
年度末ですしぃ・・・。
スペインは、マイレージですから、無賃乗車で、
        スイスの友人宅に行く道すがら?ですし、
        ヨーロッパの星仲間にも会う事が目的でしたから、日食はおまけでした。
        無料旅行なので、家族から何かれ言われる事はありません。

今回の皆既日食の場合は、どうしても有料です。(金出せっつうの!)マイレージで行くと、個人での観測地へのアクセスが難しく、また、治安の点でも、不安が多かったので、お金出しても日食ツアーに乗るっきゃない訳です。
(行ったら、結構、気楽で、安心で、便利で、友達もできて、荷物もバスに置いておけるし、団体旅行は、とっても良かった!)

トカラ日食まで、まだ4年近くもあるし、どうしても4分の皆既日食が見たい!・・・・そう思い、昨年12月に一度、旅行社などに、打診してみました。リビアツアーの殆どはオーストリアからのチャーター旅行でした。オーストリア往復を無料で飛んで、(やっぱ、無賃かよ!)オーストリーからリビアツアーに乗れば安い。ついでにスイス・イタリアも旅行して来よう!・・・・なーんて、プランもありました。
ツアーに同行される先生方の顔ぶれも様々でした。○○先生の所が楽しそうだなあ・・・と思い、電話してみると、企画倒れしてしまったとのこと。ガク!。
さらに、我が家のテレビが壊れて、思わぬ出費!しかも、スイスの友人が3月末に一時帰国!あちゃあ・今回の日食はやはり無理かあ・・・と一旦は断念したのです。

が、しか〜し、二月末に、日食経験豊富な方々とお会いする機会があり、これで、行きたい気分になっている所に、同好会の例会で、「行かないと後で泣くで〜」などと、脅され帰宅。

まだ空席があるか、調べてみるだけ・・・・この「みるだけ」というのは、セールスの常套句で、「みるだけ」が、いつしか「買ってしまった」になるのです。・・・・・ネットや、雑誌を調べてみると、沢山の旅行社で、いろんなコースがありました。正規で行くとリビアは最低40万!普通で60万近く。テレビを買ったから、リビアは無理。・・・でも考え様で、リビアに行った事を思えば、テレビとエジプト・トルコ日食におつりが来る。→家族の説得はこの手で行こう! (どの道、リビアツアーには間に合わなかったし、問い合わせてみると、トルコやエジプトでも、締め切りや満席や中止のコースが殆どでした。)トルコは晴天率が低いので、エジプトに決定!
 エジプトでも日食前日、現地泊のコースを探しました。多くが、当日、バスで日食地にやってくる日程でしたが、地図を見ると、ホテル地が凄く離れているのです。3,4時間かかるようです。道路事情や現地情報がわからないので、これは、リスクが大きいと思いました。寒くても、不便でも、食事がまずくても、お風呂に入れなくても、現地テント泊がいいと思いました。(結果、用意された寝袋+毛布で十分でしたし、食事もシェフ作りたてのバイキングで、おいしかったです。後で聞いた所、ホテル泊の方々は深夜3時に出発されたそうです。お疲れ様〜。

で、現地泊ツアー、ありました。しかも安い!渡部潤一の講演まで付いている!問い合わせると、残席一人!締め切り30分前。私を待っているかのようでした。(ご縁よねえ。)日食まで一ヶ月を切っているし、出発まで3週間強。正式申込みの時には、2週間半しかなかったす。

機材

今回、撮影機材はミニボーグ+一眼デジカメの固定撮影用と、ビデオカメラの二台だけにしました。
というのも、重量制限が、預け荷物20kg一個、持ち込み手荷物・たったの5kg一個、超過に厳しく、超過量はべらぼうに高い地域と伺ったからです。更に、全ての機材の申告が必要だと言われました。
うーん。何を持って行こう。撮影はどうしよう。ビデオは決定。ただし、スペイン金環食の時に、カメラ三脚に乗せただけの為、画面の中を逃げていく太陽を引き戻す作業に追われて、できあがった映像も見れたもんじゃなかったので、ポタ赤が必要と痛感しました。 市販のポタ赤はいずれも重く大きいです。ビデオ撮影だけなので、精度も要らないし、もっと小さくて軽いものはないものか・・・・同好会の篠原氏に相談してみると、「え?この年度末の忙しい時期に、2週間でポタ赤、作って欲しいって事?」と、おっしゃいながらも、何とか承諾していただきました。(ポタ赤製作については、こちら

一眼レフデジカメ+ミニボーグの機材は、こんな感じ。
矢印の順に乗せていく。最後のボーグの箱の中には、太陽フィルターが入っている。手前の青い箱には、リモコンとスペアメディアと電池。


いざエジプトへ!!

出発当日の関空。な・な・なんだー。この列は・・・。
左の列の一番後ろに並んで、折り返し、右の列で更に並ぶ。待つこと1時間。ようやくゲートに入ったのでした。(急ぎの人達が抜けて行ったからこの時間で済んだものの、そうでなければ、2時間待ち。)
おかしな事に、混んだのは、この時間だけで、この集団の後は、いつもの閑古鳥(関空鳥?)。離陸の時刻が重なりすぎなのでしょうか?とにかく、異常でした。
シンガポールでの乗り換え時間が長かったので、観光しちゃいました。ご存知 まーライオン。
右の画像は、日食撮影の練習。爆!
ピラミッドなどの観光リポートを飛ばして、日食現地への道中の画像。
←これ、エジプトのカイロです。
実は日食の二日前、夜間に、三年ぶりの三年分の大雨が降りました。3年分降ったので、あと、三年は雨は無しとの事。だから日食も晴れるぞー・・と、言われても、正直、かなり不安になりましたね。
片側3車線が浸水で使えないところもあり、カイロは大渋滞でした。日食地までの移動だけの日なので、急ぐわけでもなし、まあ、のんびりで平気だったのですが・・・・。
この雨のお陰で、日食の際、心配されていた砂嵐もなく、また、空中の塵も洗い流されて、どうやら恵みの雨だったようです。
日食地サルームへの道。(休憩所にて) 砂漠の中をひたすらまっすぐ走る。その距離700km。♪どこま〜でも続くぅー♪
対向車も殆どありません。現地に近づくに連れて、雲も少なくなって行きました。
バスの窓から、白い砂漠の向こうに、青い海が見えて来ました。地中海です。
なぜか、空の色も青く見えました。「空が青いのは、海の青さを写しているからさ。」なーんてね。デジカメのホワイトバランスはオートです。
とにかく、とってもきれいな情景でした。
海岸線が見えます。海の色がとってもきれいです。それにしても、何もないっすね。
日食観測地は丘の上の砂漠地帯です。砂漠と言っても、石がごろごろしています。 観測地入口。道路の両脇にいろんな色の旗が立っています。結構大きな旗でした。ポールまで一色で、運動会みたいでした。 遠くに、パオのような大きなテントが無数見えました。え?まさか、あれが二人用?なーんて、そんな事はありません。
日本人のテント村?一張り2人です。地面は絨毯で、ベッド2つと敷布付きマット、枕、寝袋、毛布、懐中電灯が設置されていました。 地平線に沈む夕陽。きれいでしたねえ。 食堂の大テント。壁?の布?がきれい。地面にこれまた絨毯が敷いてあります。さすが、絨毯文化の国ですね。
皆既日食2006/3/29 サルームと描いてある所が嬉しいです。バイキングのケーキ。 国立天文台の渡部潤一先生のありがたーい講演会。 ポタ赤を立てていたら、興味深そうに、寄って来られる人達が、結構いらっしゃいました。
いよいよ日食!朝はもやが多くて、心配になりましたが、日食前には、ド快晴!良かった!私の目の前の風景です。私のテントは運よく最南だったので、テントの横に機材を置けて、周りの視界も良かったです。 私の右側の風景です。肉眼と双眼鏡だけで、ゆっくりと日食を楽しむ方々もおられます。すごい機材の方もおられます。赤いすも、長いす(ベッド)も自由に使わせて頂けて、助かりました。

皆既中のテント村。(植松氏撮影)実際にはもっと暗いのですが、デジカメなので、露出が長く、明るめに写っています。金星も写っています。地平線が金色に輝いていました。ぐるり四方を金色の夕焼けに囲まれた皆既日食でした。地表の方が金色で明るく、空の方に向かって暗くなるようで、不思議でしたね。

日食翌日の月齢1のほっそーい月とピラミッドです。あの月が前日の、あの感動の皆既日食をもたらしてくれたと思うと、更に感傷に浸ってしまいました。
左の画像と比べると、夕焼けの違いがおわかりかと思います。こちらが普通の夕焼けです。
ぐるり、金色の地平線。黒い空に星。黒い太陽。そして妖艶なコロナ。とても、言葉で言い尽くせません。

欲しいと懇願したら、ポスターをはがして下さいました。詳細はこちら IDカードのようなキャンプ証?首にかけておくもの 現地観光局のパンフレットと '日食見ました' カード



エジプト皆既日食その0 ツアーとの馴れ初め?
エジプト皆既日食その1 動画 ビデオからのキャプチャー
エジプト皆既日食その2 日食経過画像
エジプト皆既日食その3 望遠画像
エジプト皆既日食その4 日食のピンホール影の変化(子供達向け)
エジプト皆既日食その5 日食記念のお土産など
エジプト皆既日食その6 観光リポート1
エジプト皆既日食その7 観光リポート2
エジプト皆既日食その8 観光リポート3
エジプト皆既日食 英語 English  今のところ、動画と望遠画像


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