ポータブル赤道儀 by Shinohara
日食ビデオ撮影用に、急遽、ポータブル赤道儀を作って欲しいと依頼され、大急ぎで、しかも、ありあわせで適当に作ってみました。
高校生時代、お金と車が無く、写真を撮るためにはポタ赤しか方法がなかったので、何台か作りましたがそれ以来です。
材料 | ズンギリ棒3本、木板14mm厚59*160o2枚、 扇形用5.5o厚ベニヤ(2枚を接着) モーター(ジャンク品。電動フォーカサー用DCモーター) 単眼鏡、コントローラー用ケース、平ギア、スプリング、ベアリング、ナット、ボルト類、アルミ部材など。 |
仕組み | 鉄ズンギリ2本を手で曲げて、カーブを作り、ステンズンギリで回す仕組み。 |
制作時間 | 3日 |
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北から見た部分です。ギア同士を押し当て動かしています。解除するときは右下の蝶ボルトを締めこむとギアがはなれフリーとなり、戻してから蝶ボルトを緩めるとギアが噛み込みます。 | 極望はホームセンターであった7*18の単眼鏡です。見かけ視界は52度前後でしょうか。ただアイレリーフは無くて眼鏡をかけての使用は出来ません。架台部は方位修正のみ作りました。 |
試写 このポタ赤を使って、撮影したものです。(撮影、コメント:ちゃっきり) 30秒露出 ミニボーグ+2倍テレコン+ニコンD70 (左2つの画像は、35oフィルム換算で、750o相当です。) |
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木星と衛星と、何か恒星 月もかすんで輪郭がわからない空で、木星以外は何も見えない空でしたので、とにかく、木星を入れて、望遠鏡で追尾具合を見てみました。状況が悪いので、極望は使っていません。角度も方角もざっと適当にセットしました。 天体写真としては最悪ですが、あくまでポタ赤チェックの撮影なので、ご理解下さい。 |
日食から帰国後 4月16日 久しぶりに晴れたので、再度試写をしてみました。 ベガ(右の青いやつ)とこと座ε(ダブルダブルスター)です。 |
3800mm 相当の画角。 左の画像を拡大してみました。さすがに、これだけ拡大すると、流れているのがわかります。 ビデオカメラ用ポタ赤ですからあ。 これで充分過ぎるほどです。 |
依頼主(使用者)のコメント: 突貫工事にもかかわらず、実によくできており、感謝感激です。軽くコンパクトで、なおかつ、長時間追尾できます。単三電池4本で、動きます。スピード調整もあり、快適です。試写のとおり、期待以上に精度も良いようです。(ただし、篠原氏もおっしゃるとおり、ふらつきがあり、もう少し、チェックすれば、癖がわかりそうです。日食のビデオ撮影には、何ら問題なく追尾してくれました。お陰様で、ポタ赤の存在すら忘れてました。でもって、皆既直前に、終点に行き着いて、ドタバタ騒ぎとなったのでありました。詳細はちゃっきりTOPからエジプト日食の記録へどうぞ。) 1.重量850g(極軸望遠鏡、モーター込み) 2.単三電池4本。 3.アルカリ乾電池で、24時間以上駆動。おそらく2-3日はOK。(あまりに長持ちするので、実験を途中で中止) 4.追尾2時間。 5.1200mm相当の画面で2時間、太陽が画面から外れない。おまけに、スピードコントロールが付いているので、追尾調整ができる。 6.ワンタッチで容易に再セットできる。 製作時間は正味3日で、材料費はわずかXXXX円足らずだそうです。(主な物はモーター、単眼鏡、電子部品等など) |