パタゴニア皆既日食
レポートその5 やっと本文 の巻き
今までのはプロローグで、ここからが、本文になります。 長い前置きを読んで下さった皆様、大変ありがとうございました。(ぺこり) さて、パタゴニアって、どこかご存知でしょうか??(今頃かよ!) 聞いたことはあるけど、地図で示すのは難しかったりしません?? パタゴニア、タスマニア、マダガスカル、ガラパゴス・・・・ いずれも、なーんとなく、わかりそうで、わからない。 (それでもギアナ高地と間違える人は珍しいかもしれませんがぁ・・・・いや、数年前までの、ちょっとした勘違いですよー。汗!) |
日食前日、数時間、遅れはしたものの、とりあえずパタゴニアには到着しました。 そして、日食飛行機はキャンセル決定となり、パタゴニアでの地上観測以外の選択肢も無くなりました。 ホテル到着後、遅い昼食をレストランで注文し、待っていると、「街へのバスに乗る人は急いで下さい!」の声が聞こえました。 「えーー。私の食事がまだ来てましぇーーん。」 周囲を見ると、皆、もう食べ終えるところでした。 「あれ??私だけ???」 すぐに、ウェイトレスを呼んで、急いでもらいましたが、元来、食べるのが遅いので、頑張っても、ちっとも進みません。 しかも、メインディッシュだけでなく、バケツ入りみたいなサラダや、デザートまで頼んでしまったので、どれも1/4ぐらいずつで終え、必死に口に押し込み、食事を終えました。 (実は、この食事のおかげで、チェックアウトの時、$240 請求されて、びっくりしました。食事代込でのツアーでしたが、それまでは、食事はアルコールやデザートまで、何でも飲み食い放題でしたので、その勢いで、たくさん注文する癖がついてしまいました。でも、後で知ったのですが、ここの食事については、メインディッシュ以外は、自腹だったのです。 あ、$1は0.25USドルぐらいですがね。アルゼンチンペソなのに、表記は$です。) もったいないと思いながらも、急いでバスに乗り、街に向かいました。 今日は、ルームメイトのアニータ達の講演会です。 彼女達の事を思うと、私などは、まだまだ恵まれていたと思います。なんたって、彼女達が日食機の故障を知ったのは、出発してからですから。 講演は4人行い、いずれも、今回のツアーで、私にとって最も身近な人達でしたから、私は気合いを入れて、写真を撮り、メモを取り、熱心に聴きました。 どの講演も、とてもおもしろく、時はあっと言うまに流れて、夜のトバリが落ちて行きました。 ホテルに戻り、夕食が終わったのは、10時過ぎ。 部屋に戻る途中、マイクに呼ばれて、みんなで、マイクの部屋で、お天気講座を拝聴しました。 マイクは20回近く日食を経験しているベテランのお天気フリークです。話題豊富で、私達を飽きさせる事がありませんでした。 ただ、私としては、明日の天気がどうなったとしても、もう行くっきゃない状況なので、マイクの天気予報の熱弁をよそに、「部屋がとおおおおぉぉぉいーーー」と思わずには居られませんでした。 天気は天の気分と書くでしょう。 天にお任せしましょうよ・・・・ っと言いたい所でしたが、そんな事言えましぇーん。 結局、自分達の部屋に戻ったのは、11時ごろだったと思います。 それから、やっと日食の準備です。 いや、その前に、お風呂にはいろっと。 日本を出てから、シャワーは浴びてもお風呂に入る余裕がありませんでした。 ああ、日本人はやっぱ、お風呂だーー! っと思ってお湯をはろうと思ったのですが、探しても、お風呂の栓がありません。 あぁぁぁ、またかぁー。 まあ今日もシャワーで我慢するかぁ。がっくり。 |
さて、この時、私の体はもう半分壊れていました。 第一、全然寝ていません。数えてみたら、殆ど寝ないで、10日ほどになります。 人はどれだけ寝ないで生きていけるのでしょう??確か3日と記憶しています。 明日日食というのに、既に限界間近な状態でした。 にもかかわらず、深夜、またごそごそと作業です。 明日(っていうか、もう今日だー)は、早朝出発したら、もうそのまま夕方の日食に突入です。 PCを広げてエクリプスナビで、観測地の経緯度を入力、第1・2・3接触の時刻確認。 最後のシミュレーションをしてみました。 エクリプスナビは日食機だったら、活躍の場がありませんでしたが、地上観測となると、頼もしい味方です。 よーし!! リュックに、機材やカイロを詰めて、あ、その前に充電充電。 ・・・・・コンセントのアダプターの一部がいくら探してもありません。 え? ブエノスアイレスのホテルで、引き抜いた時、一部残して来てしまったのかもしれません。 アニータが、「こういうのは、無理して突っ込めば、何とかなるんじゃない?」と言って、テキトーに差し込んでくれて、とりあえず使えるようになったと思いました。 で、じゃあ、PCを開いて、メールチェックに、プロミネンスチェックもしよう・・・・天気チェックは充分すぎるほどしたから良いと・・・ ルームメイトの為に、部屋の明かりは消し、PCの明かりだけで、作業しました。 ベッドの下にパソコンや機材を広げて、最後のチェックと充電です。 無線LANが、あんまりたらたらしてるので、時間がかかってたまりません。 携帯も充電しておこっと。 ネットが終わったら、PCの充電ね。ネットDLの間、ちょっとだけ寝ようかなあ・・・・ っとまどろんでいたら、PCが「ピーッ」と鳴って、画面も辺りも真っ暗になってしまいました。 おっと、電源落ちたか。オートパワーオフになったのかな??? ん???? なんで????? AC電気来てなかったの?? まるで、吸われたみたいだーー!!! 電源入らない!! カチカチカチ・・・ え?????!!!! パソコンのバッテリーが・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死んだぁぁあああああ! ま・まさか、携帯・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのまさかだぁぁあああああ! パソコン死んだのは、かなり痛いけど、 携帯については、こうゆう時の為に、単3電池の充電器も持って来たのよねえええ。備えあれば憂いなし!(ちょと、あせりで手が震えてるけど・・・・) 暗闇で、充電器を出した瞬間でした。 パリーーーン!! 最後の頼みの充電器が突然、割れてしまったのです。 えーーーーっ!! な・なんでぇ!!! この瞬間、私の脳裏に苦い記憶がよみがえって来ました。 父が亡くなった朝、父の茶碗が真っ二つに割れたのでした。 ・・・・・・・・・・・ たとえようのない不安にかられました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どしよ・・・・・・・ もう、何かあっても、日本に連絡できないかも・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ そうこうするうちに、またまた起床時間になってしまいました。 あああー、 全然寝てないし・・・・ 足はパンパンにむくんでるし、 血豆痛いし、 手の爪もはがれそうで、痛ぁぁ・・・・・ 眼の周りは、熱いような 体は熱いような冷たいような・・・・ 意識は朦朧として・・・・・・ なんか、もう倒れそう・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生きて帰れるかなあ・・・・・・・・・・ |
2010年皆既日食レポート その6につづく
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