パタゴニア皆既日食

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その4 日食前日、パタゴニアにGO! の巻き

前日のストライキの影響も懸念されるので、また早朝出発です。

空港に着くと、予想通りごった返していました。

長い列に並んで、延々待っている間に、朝陽が昇って来ました。

「日の出だ!」

「嵐はこれから来るのかなあ????」

その後も待って、ようやくチェックイン完了!席も希望通り窓際が取れました!

ふう・・・

フライトはその時点で1時間程、遅れていましたが、それぐらいは平気平気。

飛行機に乗り込んで、自分の席はと・・・・・

あれ??

番号がない・・・

いや、あった。

一番うしろの

ちょっと特別席??

あれ??

窓なし??

あ、窓、あるにはあるけど、窓の外の風景が、回りと全然違うなあ・・・ と、窓に顔を近づけてみると、窓の外がすぐ壁なのです。

飛行機の外が壁って?!・・・・(ありえなーい!)

前の席から見てみると、エンジンではありませんか!

しかも、亀裂入ってるでぇ。

この窓、意味あんの??

頭上に目をやると、カーテンレールがついてる・・・

乗務員が着替える際とか、このカーテンを閉めるのか??

もしかして・・・・

ここって、

乗務員の席??????

まあ、それもいいか。

それに、3時間20分の我慢だから・・・・


↑飛行機の窓と思えないでしょ?


・・・と、思っていたが、待てど暮らせど、飛行機が出ない。

一旦かかったエンジンも切れ(エコね。エコ)、シーーン

あれ?離陸しないのぉおお???

・・・・

あれれ??

なんか、におう・・・・


匂いの方向を見るまでもない・・・・

壁1枚向こうはトイレなのだ!!

どうりで人の出入りも多いハズ。

エンジンを切っているから、時に、音まで聞こえる。サイテー・・・・

ひと気がなくなったのを見計らって、私もトイレに行ってみました。

開けた瞬間、悪夢のどん底!

これは入れない!

ダメ!もうダメだ!

吐き気がする。

頭が痛い。



ああ、きっと日食もこの調子だ・・・・

だいたい、日食飛行機が故障した時点で、運命は決まっていたんだ・・・・・・・・・



結局、この監禁は1時間も続き、飛行機はようやく、おもむろに離陸したのでした。

そして、なんとか、パタゴニアのふもとの町、エル・カラファテに到着しました。

窓の外は何も見えませんでしたが、皆が、「吹雪じゃないよ。良かった良かった」と喜んでいたので、ちょっとほっとしました。

でも、飛行機を降りながら、よーく考えてみると、曇っただけで日食は見えないのですから、吹雪でないからと言って、このベタ曇りの空を喜ぶのは、みんなも相当壊れている証拠です。ハア。


空港からホテルに直行。

ホテルのロビーにツアー会社のリコが待っていました。

リコは私を見るなり

キーコ!

ついに会えたねえ。

もう何年もメールしてるもんねえ

遠くから、良く来たねええ。

君は、一番遠くから来た女性だ!」

キーコ!

君に見せたい!

こっちこっち」

そう言って、私を窓際に連れて行きました。

「いいかい。残念ながら、日食飛行機は飛ばない事が決定した

<<<(ケ・ケッテイッスか!!)

「でも、皆既日食は見れる!

ほら、あの山の上の辺りで皆既になる。

ここでも見れるけど、(浮き上がりを加味しても)ここじゃ、皆既中に日没になるんだ。

だからー・・・

ほら、あっち!あの山に登るんだ!

1000m登れば、邪魔されない。

第3接触のダイヤモンドリングが見えるんだ!」


彼の言葉はとても優しく、しかも力強いものでしたが、彼の指さす先には、雲かぶるアンデス山脈が見えるばかりで、私は絶望で失神寸前でした。




2010年皆既日食レポート その5につづく

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