食後のコーヒーで談笑した後、知人たちと別れ、一人で小屋を出発した。
丁度、竜宮小屋上空にはヘリが飛んできていて、不要なものを轟音とともに運び去って行った。

昨夜、小屋主さんに小屋締めまでのスケジュール表兼チェックリストを見せてもらったが、冬支度は最後の日まで大変そうだった。去年の大雪のことがあるので、今年は余計気が抜けないそうだ。
尾瀬を去る日は朝から何度も何度も小屋の周りを見回って、それでも火の始末が気になって引き返したことがあると話されていた。
竜宮小屋付近には、もう9時を過ぎているというのに、まだ霜が残っている場所がいくつかあった。
せっかく持ってきたのだから…と、180ミリマクロをカメラにセットして暫く撮影していると、「まだ居たのか?」と知人たちに笑われた。
竜宮の湿原には、ヨッピ橋と東電尾瀬橋の通行止めを知らせる看板が立っていた。
次に通れるのは、5月中旬だ。
長い冬の始まりをあらためて実感した。
すぐに帰ろうと思っていたが、池塘に映る至仏山を見ていたら急に撮影したくなった。
木道にヨイショとザックを置いて、カメラを三脚にセットする。
今朝のような霜があったら最高なのに…と独り言を言いながら、誰もいない尾瀬ヶ原をのんびりと撮影した。
〜2003年10月30日-31日:鳩待峠から尾瀬ヶ原へ〜4      
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