尾瀬を渡る風に吹かれながら、一人で木道を歩いていると、今年の尾瀬のひとコマひとコマが色々と思い出されてくる。 そして、百歩進んでは振り返り、また百歩進んでは振り返った。 今年もありがとう。 思い出をたくさんありがとう。 じゃぁ、また来年ね…。 声に出して言ってみると、涙がほろりとこぼれてしまった。 |
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山ノ鼻に到着すると、ビジターセンターに七五三木所長を訪ねた。 建物の脇には、24日に降った雪がまだ残っている。 30分近くも世間話をして、ようやく鳩待峠に向かう決心がついた。 |
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来る時に見た風景に背中を向けて歩き出す。 そして、ついまた後ろを振り返る。 さて、帰ろう、本当に帰ろう。 そう呟きながら、一人で歩くと独り言が多くなるんだな…と笑ってしまった。 |
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晩秋の柔らかい陽射しに包まれた木道を、鳩待峠に向かってゆっくり歩いた。 こうして、わたしの今年最後の尾瀬は終わった。 おわり |