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製作のきっかけ
ドブソニアンといっても、やはり惑星などを観察することもあります。一人で楽しんでいる場合はいいのですが、小学校などの観望会では、子供達が列を作って待っており、一人でも多くの子供達に、スムーズに観てもらう為には、やはり自動追尾がほしいところです。とりあえず簡易的に星を追尾させて、たくさんの子供達に快適に天体観察を楽しんでほしいと思ったのが製作のきっかけでした。
以前、30cm用のポンセットを製作していましたが、思いのほか快適でしたので、小学校で使う機会のより多い20cmドブソニアン用を作ることにしました。
コンセプト
観望会等の時間を考えると、1時間位は連続して使え、赤経モーター内臓にて、セッティングエラーはドブ側で行なう。あまり大きく重くなくコンパクトで、気楽に使用出来たらいいかといったところでしょうか。よくばりすぎか?
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北側ディスク部分です。ギアとディスク部分の伝達は、ホームセンターの波型ゴムをアルミ板に貼り付けています。ゴムの形状がモジュール0.6のギアとピッタリだったので使っていますが、耐久性に問題があります。定期的に交換しないとスリップしそうです。左側のアルミ板はディスクの浮き上がり防止のための部材です。上側にはベアリングを取り付けています。白いツマミを少し緩め下にあるキャップボルトによりディスクにテンションを与えています。巻き戻し時には緩め、本体をすこし持ち上げて戻しますが、ドブが乗った状態なので安全のためには、コントローラーでの、高速逆転モードがいいのかもしれません。据付用に水準器をつけましたが、スペースが無く苦しい取り付けです。 |
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上に乗せるドブを安定して固定させるためにゴムシートとゴムバンドを張っています。センターにはW1/4オスねじを取り付けています。プラットホームには、極軸に向けやすいように黄色のテープを貼っています。プラットホームを持てば一式持ち上がります。本体部分はシナベニア21mmを使っています。重量は量っていませんが、感覚的に5kgほどでしょうか?
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ひっくり返してみたところです。3個の脚は各40mmほどの調整が可能です。モータードライブはV社のモーターに手を入れています。そのままだと1回転約10分ですが、ゲンソクギア組を旧品に組み替え、約25分にて1回転としています。あと、モーターケースがでかいので取り付けスペースが無かった為、取り外しました。ディスクには、強度を上げるために3mmアルミ板を貼ってあります。両端にはストッパーの為、ビスを露出させています。三脚センター部分にはW1/4メスねじを取り付けています。
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極軸角度は35度としています。北側のディスクの直径は586mmなので、アルミ外周上で1時間にて、約77mmの動きがあれば、追尾可能です。モーターの出力軸は一回転25分ですから、25分で約32mmです。出力軸には、モジュール0.6の32枚のギアしかありませんでしたので、2分の1に落とすために、28/56のギアを組み込みましたが、少し遅いかもしれません。今後、減速のギアを組み替え対応したいと思います。実際、星を追尾させて見ましたが、若干遅れ気味ですが、あるのとないのでは雲泥の差があり、とりあえずこれで使っているあいだ、材料を探すかといったところでしょうか。南側ディスクの押さえとして、アルミ板の先端にベアリングを付けた板を設けています。真ん中のビスを調整することによりテンション調整できます。
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連続使用時間は設計上1時間オーバーいけますが、実際ドブを載せた場合、非常に不安定でした。解消するためには、三脚のスパンを大きく取ったり、ドブとの接続方法をより強固にする必要があると思います。ドブとマウントの不動点の差を埋めるために、プラットホーム下部に電源用のバッテリーをバランスウエイトがわりにするとかの対策が考えられます。今後の課題でしょうか。
30分以内の使用であれば、あまり影響は現れませんので、とりあえず、使ってみて今後細部に手をいれていきたいと思います。
余談:後ろ姿が、笑ったかえるみたいです。
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