アンタレス食一応伴星単独出現が撮れました。

興奮のリポートがあんまり長いんで、先に映像をアップしておきます。爆。
下記をクリックするだけで、見れる方も多いようですし、下記を右クリックして「対象をファイルに保存」を押せば、ダウンロードできるようです。一度お試し下さい。

潜入動画 Windows media player file 339kb
出現動画 Windows media player file 1175kb
ノイズ除去してみました。伴星がやや薄くなったような気もします。見やすくなったかどうか是非比べて下さい。すごく軽くなった事は間違いありません。(映像の殆どがノイズだったっていう訳でしょうか?)
ノイズ除去出現動画 Windows media player file 261kb


出現の際、画面の右端に出てきたので、慌てて(癖というか習性で)左に移動させてしまいました。映像が小さく、圧縮されているので、伴星は暗くてわかりにくいです。下のキャプチャー画像を参考に、眼を凝らしてご覧下さい。画面の右矢印の上に伴星が出て左に移動させられて、その後、主星がぼわっと現れます。伴星出現は矢印の出る直前です。伴星の色はスペクトル的には青白いはずですが、うちのではうーむ、どうでしょうねえ。高度が低い上、透明度最悪でしたからねえ。また、拡大率を途中で遊びで変えてもどすのを忘れていました。お陰で、出現が強拡大になりました。(^_^;)
5-6回ご覧になると、伴星がしっかり捕えられます。見えた場合、又、見えない場合も是非こちらにメールを頂きたいと思います。

4月4日:矢印をもっとわかりやすくしました。 矢印変更後のキャプチャー静止画像をアップ(下)
4月6日:出現画像のノイズ除去というのをやってみました。
4月7日:伴星の位置をキャプチャー画像からチェック。 撤収中のデジカメ画像アップ(下)。 前日のアンタレス画像アップ。
1.伴星出現   2.伴星を思わず左に動かす 3.移動を停める   
4.主星の出現した瞬間   5.直後に明るさが増す   6.最後の画像  
ちょっと遊んでみました。
(4/10 ノイズ除去画像からのキャプチャーにしてみました。)

主星の出現の直前(2フレーム前)です。
伴星の位置は矢印の真上、あるいは、やや左側に位置しています。
さらにもう一つお遊びです。(ノイズ除去画像の方にしたら、返って、明るい点がわかりにくくなってしまったかな?)

これは単に、そう見えるだけなのかもしれませんが、左の画像が主星出現の直直前・1フレーム前のものです。伴星の右がやや白く明るくなっているような気がします?単なるノイズなのかもしれません(実際、伴星や主星の右上に、ドット落ちがあります。)が、主星がほんの少し顔を出してきたように、解釈するのは、ちょっと無理でしょうかねえ??
主星の出現直後です。
主星の位置は矢印のやや右になるのがわかると思います。
つまり、伴星は、主星のやや左(西)にあるという事だと思います。
事実、調べたところでは、北(画面下)から東回りで約273度。
主星の西(画面左)のほんの少し北(画面下)になるはずです。
左の二枚を重ねてみましたが、主星が明るくて、うまく行きませんでした。
うーむ。一応アップしておきますが、重ね方の勉強が必要です。
静止画
撤収中に普通の静止画も撮っておきました。
少しピントが甘かったかなああ。輝度に差があるので、露出が難しかったです。
月のリムが白飛びしています。
クリックすると大きな画像がポップアップします。

2005/03/31 02:14:08
1 / 80(秒)
Pentax 75SDHF(f=500mm) + Nikon D70 直焦撮影
切り取り
前日のアンタレス
左に微妙に伴星が見えるような気もします・・・
詳細は画像クリックか、こちらをどうぞ
機材:
Pentax 105 SDHF (f=700mm) + TMB Super Monocentric EP 8mm + ToUcam Pro
Takahashi EM200 + Pentax75SDHF + Or9mm EP + GA4 眼視でガイド。
20フレーム/秒 で、潜入0:26:30 から39秒間撮影の内10秒間切り取り。 出現1:32:30から1'49"撮影のうちの 10秒分を切り取り。
合成Fは・・・中間リング(って言うのでしょうか??)を変えたので、えーと・・潜入4757mm  出現8227mm
画面下が北、右が東になります。ちなみに伴星は主星の西(画像では左)、273.70°の位置。 角距離2.53秒。 映像への画像処理は行っていません。(ノイズ除去の分はノイズ除去のみ)
静止画像を上記のノイズ除去wmvファイルから取り出しました。(元画像から取り出すのは、PCが壊れそうなので、圧縮縮小ファイルからの取り出しとなりました。下の伴星画像はレベル補正とコントラストで全体を処理しています。)静止画像を取り出すのに使っているのがフリーソフトで、3枚以上取り出すと、PCが絶対にフリーズしてしまいます。なので、再起動の繰り返しで、手間がかかるのです。)
ーーーーーここからがリポートです。−−−−−−−−−−−−−

2005年3月30日深夜、正確には31日未明にアンタレス食がありました。アンタレスは、二重星(それも連星)ですので、一等星の食の中でも、特別に見甲斐があります。今回の食の場合、出現が月の暗い方からで、丁度伴星が先に出たので、伴星だけを単独で見れる事になりました。これは見逃せません。平日でも多くの天文ファンが、今回のアンタレス食を楽しんだようです。

さて、私もこのアンタレス食をとても楽しみにしていたのですが、当日、体調も冴えず、翌日にはハードな仕事を控え、更に空も透明度が最悪で、撮影しようか、観望だけでもしようか、パスしようかと迷いました。赤道儀はベランダの隅に組んであるものの、移動しなければ使えないし、極望もいつもながら南ベランダで使えません。
空のひどさも体調を映したかのように、どんよりとしています。こんなんじゃ、伴星は見えそうもないなあ・・・・。楽しみにしていたのに、今一力が湧いてきませんでした。
こう書くと、結局パスしたのかと思うでしょう。普通の恒星食であれば、さっさと諦めて寝る所ですが、伴星が5秒も見れるのです。折りしも9時前に、参加している海外のMLから、5秒見れるこの機会を逃すな!ってメールが届きました。これは日本を代表して??奮起せねばと思いました。で、この後、気力を振り絞って、結局、撮影までやり、興奮で眠れなくなるほど、楽しんだのでありました!!

ここから文体が変わります。
準備:
空は1km先のビルがかすむほど透明度が悪く、出ているはずの月さえ見えない。1/5もあげられない透明度。雲には見えないが、これはもう雲同然。12時前ぐらいか、信号のような真っ赤な月が見えて来た。ファインダーで見ると、ダイエーマークのようだ。アンタレスが近くにいるはずなのだが、全然見えない。肝心のアンタレスが見えないのでは話にならない。伴星どころではない。ベランダの位置の関係で、極軸望遠鏡が使えないので、今日のメインイベント、伴星出現を見る為には、ガイド鏡を立ててアンタレスが視野から出ないようにしなくてはならない。が、そのガイド星も全く見つからない。当然だが、この付近にアンタレスより明るい恒星はない。ただ、さそり座は明るい星も多く、アンタレスより高度が高ければ、2等星でも見えるはず。時間はどんどん過ぎて行く。潜入予想時刻は12時27分。急がないとガイドができない。焦っているときに赤道儀が止まる。うっ。バッテリーの電圧が落ちて来た。古いので、もうへたっているのだ。慌てて、別のバッテリーを持ってくる。

潜入:
少しもやが晴れてきたのか、ようやくアンタレスがファインダー内で、見えて来た。アイピースに入れる。
ガイドになる星がまだ見えない。ファインダー内は月以外真っ白だ。ステラナビで、良さそうな星の位置を確認して、このあたりにある筈というエリアをアイピース内で探す。 あった。GA4をガイド星に合わせて、動きのチェック。
掩蔽は動画に限る。アンタレスに戻り、ウェブカメラをセット。視野に入って来ず、いらいらする。ピントがずれていると視野に入っていても見逃すこともある。速く早く!あと5分だ。輪島の土星食の時もぎりぎりだった。どうしていつもこうなんだろう。
アンタレス見っけ。ピントを合わせる。ガイドを確認。
0時23分51秒。潜入3分前。試し撮り開始。OK。本番スタート!
めらめらの月に小さな星が飲み込まれて行く。月も星も生きているように、月の表面がうねり、星はその上を跳ねているようだった。
潜入してからもしばらく、月を眺めていた。ついでに撮影もしてみた。倍率も変えてみたが、シーイングが悪すぎで、うまく行かない。鏡筒は早めに出してはいたものの、冷え切っていない。寒いので、一旦家に入って、体を温める。ついでに、夜食を食べ、歯も磨いておく。出現が済んだら、すぐに寝ようと思っていた。この間、時々ガイドのチェックはする。かなりずれても、撮影をしている訳ではないので、気楽だ。これで出現を捕えられるか怪しいと思った。

出現:
そうこうしているうちに、出現5分前。ガイドをチェック。ずれをもどして、スタンバイ。画面は真っ暗だ。ゲインを上げる。右手にマウス。左手にコントローラーを持ち、撮影開始。伴星は果たして画面上に入ってくるだろうか?入っても見えるほど明るいだろうか?画面の隅々まで眼を凝らして待つ。20秒近く経過した時、何やら暗いものが・・・
これだーー!!!。
画面の右端で、いかにも去って行きそうだった。そのまま我慢すべきだったが、つい、癖のようにコントローラーで左にずらしてしまった。しかも速動だ。すぐに移動を止めたが、移動してしまった事で、これが伴星だという確証も得た。
間違いない。あせりながらも脳裏ではカウントもしていた。出現してから1・2・3・・・結構永い。もしかしてこれが主星??なんて思いたくなるほどだったが、次の瞬間
ボワッとものすごく明るいものが現れてきた!!!
でかい。明るい。飽和している。伴星が一気に飲み込まれた。
感動だー。おもしろい!!!
確認
映像を確認した。写っている。撮れた撮れた!きっと全国で同じように喜んでいる天文ファンが一杯いるだろう。早くアストロアーツなどで、みんなの映像が見たい。
それにしても、うちのファイルはでかい。出現ファイルは236メガ。潜入は350メガもある。このままでは誰にも見せられない。ビデオ編集ってどうやってやるんだろう。ソフトあったかなあ・・・。
撤収
とにかく撤収に移った。早く寝ないと、明日倒れる。もともと体力はない。カヨワイのだ。2時半。床に入るが興奮してどうしても眠れない・・・
編集
翌日夜、編集作業をしようと思い、ソフトを探す。まずはバンドル品。ネットで調べたら、Windowsのサービスパックについているはずだが、見当たらない。update もしてみるが入って来ない?? じゃ、他のヤツ。使えそうなのに、形式が読み取れないのかファイルが載らない。じゃ、フリーソフト。かたっぱしからDLして試してみる。どれもうまく行かない。そのうち、PCは脳みそがパンクして動かなくなってしまった。やばい!
おまけのマメ知識: そもそもアンタレスの伴星は、1819年4月19日の食の際に、オーストリアのウィーンでバーグ博士によって発見されたという事です。アンタレスの出てくる前に、なにやら暗い星が肉眼で見えた事から、二重星である事がわかったそうです。 長い間、その色はエメラルドグリーン、または、若葉色と言われてきたようです。ただ、スペクトル的には青白いようで、今回の食を見た方の感想には、青白い・・・という表現が多いように思います。うちの映像の伴星は、ノイズ除去を行ったら、すっかり白く(又は青白くさえ)なって、びっくりでした。赤いものは全部ノイズ?????
(掲示板に書き込みながら、これは、HPにも載せて、ちょっと物知りぶっちゃおうと思いました。)

あすとろけいHPトップ

アンタレス食リポート in English