今月の星空  〜初心者向け〜

2025年6月から 7月上旬の星空をご案内しまーす。
 (入退院が多くなっています。更新が出来ず申し訳ありません。 今後、更新が難しいかもしれません。ご了承くださいませ。)   
今月の星空惑星
6/01 日 金星が西方最大離角(明け方東の空に見える)
6/03 火 上弦
6/06 金 付きとスピカが接近 
6/11 水 満月 (ストロベリームーン。イチゴの収穫時期の満月)
6/19 木 下弦 
6/21 土 夏至 
6/23 月 土星が西矩 
6/25 水 新月、 木星が合 
6/29 日 月と火星とレグルスが接近 

GLOBE at Night  6月16日(月)〜6月25日(水) うしかい座 / ヘルクレス座 を観察しよう  

明け方、東の空に金星が明けの明星となって見えています。
今月は夏至で、日の入りが遅くなり、星見の時間も短くなりますね。
でも、星の見えない日が多いこの季節には、のんびり、星の本などを読んだりするのも良いでしょう。


春の代表のおおいぬ座北斗七星から、うしかい座のアークツルスを貫き、おとめ座スピカに至る、春の大曲線が西の空にのびています。
天頂から西には、しし座があり、そのしっぽにあるデネボラと、スピカ、アークツルスを結んだ、春の大三角が初夏の空に広がっています。
天頂から東は、夏の星座たちが上がっています。メシエ13球状星団のある、ヘルクレス座や、夏の大三角も見えますね。
南の空には、西側から順に、おとめ座一等星のスピカ、さそり座一等星アンタレスも見えます。

水星: 5/30 に太陽の向こう側に回って 外合 となりました。 月末のころ、宵の西天低く見えます。  
金星; 6/1に
西方最大離角 となり、明けの明星として、明け方の東天で輝いています。 
火星: 5/1 に太陽の東90度にやって来て 東矩 になりました。  宵の西の空に、赤く見えています。
木星: 6/25 に
になるので、太陽に重なり、見えません。 
土星: 6/23 に、
西矩 となり、明け方の南の空に見えます。   
月の満ち欠け        6/03 上弦         6/11 満月          6/19 下弦         6/25 新月     
国際宇宙ステーションや、宇宙開発 日本人宇宙飛行士が活躍している国際宇宙ステーションが、夕方や朝方、見える事があります。
こちらに経路予報が載っていますので、参考にして下さい。
備考

用語の説明をしておきますね。
東方最大離角(とうほうさいだいりかく): 地球から見て、水星や金星が太陽から東側に最も離れることです。水星や金星は地球よりも太陽の近くを回っているため、太陽の光で、見えない事が多いのですが、最大離角のときは、太陽から離れる分、見やすいということです。勘違いしやすいのは、東方だから東の空かと、うっかり思いやすいのですが、太陽より東側に離れているという事は、夕方、太陽が沈んだあとに、西空に見えることになります。

西方最大離角(せいほうさいだいりかく): 地球から見て、水星や金星が太陽から西側にもっとも離れることです。水星や金星は地球よりも太陽の近くを回っているため、太陽の光で、見えない事が多いのですが、最大離角のときは、太陽から離れる分、見やすいということです。勘違いしやすいのは、西方だから西の空かと、うっかり思いやすいのですが、太陽より西側に離れているという事は、朝、太陽が昇る前に、東の空に見えることになります。

東矩(とうく):これは図でないと説明しにくいのですが、地球の外側をまわる惑星が太陽よりも東側にあり、太陽→地球→惑星をつないでできる角が90度になることです。太陽が真南にある時(南中)に、真東にあるという事になります。太陽が西に沈む時には、ちょうど南にその惑星があるわけです。

西矩(せいく): 地球の外側をまわる惑星が太陽の西側にあり、太陽→地球→惑星が90度になる事です。太陽が南中する時に、西の空にあるという事になります。太陽が東から昇って来る時に、その惑星は南にある事になります。
東矩と西矩は、地球の公転軌道よりも外側を回る惑星(外惑星といいます。)に限り、起こる位置関係です。

外合(がいごう): 地球の内側をまわっている惑星などの太陽系の天体に使う用語で、天体→太陽→地球が一直線上に並んだ状態、
つまり、地球と、水星や金星の間に太陽があるので、地球からは、太陽の向こう側で見えない事になります。
内合(ないごう): 地球の内側をまわっている惑星などの太陽系の天体に使う用語で、太陽→天体→地球が一直線上に並んだ状態、
つまり、地球と太陽の間に、水星や金星が入り、太陽と合うことです。

(しょう):地球の外側をまわっている惑星などの太陽系の天体に使う用語で、太陽→地球→天体が一直線上に並んだ状態、つまり地球から見て太陽とは反対側にその天体がある状態のことです。

(ごう): 地球の外側をまわっている惑星などの太陽系の天体に使う用語で、天体→太陽→地球が一直線上に並んだ状態、
つまり、地球と、惑星の間に太陽があるので、地球からは、太陽の向こう側で見えない事になります。地球の内側を回っている惑星の外合と同じ状態です。
冥王星 冥王星が、惑星から、はずされてしまった件については、こちらをごらんください。

 ↓星図は株式会社アストロアーツのステラナビゲータ(Version11)を利用しました
 星座別 ↓
 主な星の並びや目印、見つけ方を載せておきます。↓
 
 

2025/6/1/22:00   6/16/21:00  6/30/20:00   ごろの星空です。 (StellaNavigator/AstroArts Inc)
惑星については、16日の表示です。
大阪府高槻市の設定ですが、関西地方はもちろん、全国的に言っても、大方こんな風に見えます。
(視野全体が緯度や経度分、ずれる事になります。)


アルビレオ(恒星)
385光年    
 
白鳥の口先には、「アルビレオ」という、とってもきれいな二重星があります。望遠鏡で見ると、オレンジとエメラルド色の二つの星が並んで見えます。「天上の宝石」とも呼ばれています。観望会に参加する機会があったら、ぜひ見せてもらいましょう。「アルビレオ」とは、くちばしを意味しています。        
デネブ(恒星)
1800-3000光年   
 
白鳥座の一等星で、白鳥のしっぽの部分になります。「デネブ」という名前も「尻尾」という意味です。白鳥のでんぶ(お尻の部分)にある『デネブ』です。     
北十字(星のならび)    はくちょう座は十字の形をしており、南の空にある南十字に対して、北十字と呼ばれています。     
ベガ(恒星)
26光年     
七夕の「おりひめ星」です。
「ベガ」は一等星の元になった星です。この星の明るさを0等として、他の星の等級も決められました。(その後の厳密な調査では0.03等。)ちなみに肉眼で見えるのは、いなかでも6等星ぐらいまでで、1等星は6等星の100倍の明るさで、一等級違うと、約2.5倍、明るさが違います。    
 
アルタイル(恒星)
17光年  
 
わし座の一等星で、七夕の「ひこ星」です。七夕の物語のとおり、「ベガ」と「アルタイル」の間に天の川が流れています。都会の空は、明るすぎて天の川はなかなか見えません。いなかに行ったら、ぜひ空を見上げてみましょう。    
夏の大三角
(星のならび)  
 
「ベガ」と「アルタイル」と「デネブ」をつなぐと、直角三角形に近い三角になります。
これを「夏の大三角」といいます。都会の空でもよく見えますよ。
 
アンタレス(恒星)    さそり座の一等星です。火星に対抗するもの(アンティ・アーレス)とも訳されたりします。  
北斗七星
(星のならび)  
 
ご存知、ひしゃくの形をした星のならびです。北斗七星は星座ではありません。星座はおおぐま座になります。水を汲む部分の淵の二つの星を五倍ほど伸ばすと北極星が見つかります。 
アークトゥルス
(恒星)37光年   
うしかい座の一等星で、「熊の番人」という意味のギリシャ語から名づけられました。春の星座である大熊座と小熊座の南にあって、背後の星たちを守っているらしいです。(それにしては離れているような気がしますが・・・)麦が熟れる頃に昇ることから,麦星,麦熟れ星,麦刈り星とも呼ばれています。アークトゥルスは全天恒星中 第4位、又は3位:アークトゥルスは変光もし、また、ケンタウルス座α星が連星なので、分けてとらえた場合で、アークトゥルスが明るい時はアークトゥスルが3位になります。  
デネボラ(恒星)36光年  しし座の2等星で、「ししの尾」の意味。デネブ(尾)+オラ(アラビア語の接尾語)がくっついてこの名前ができました。名前の通り、ししのシッポの所にあります。 
スピカ (恒星)270光年 おとめ座の一等星スピカは「穀物の穂」という意味のラテン語から名付けられています。 おとめ座が穀物の穂を手にした女性の形で、スピカは穂の部分にある星だからです。日本では、その美しい白さから、真珠星と呼ばれたりします。 
レグルス(恒星)77光年  レグルスとは、「小さな王」という意味の、しし座の一等星ですが、1.4等で、一等星の中では最も暗い星です。77〜78光年離れており、実際には太陽の130倍の明るさだそうです。 
春の大三角  しし座の2等星デネボラと、スピカ、アークトゥルスをつなぐと三角になります。これは『晴の大三角形』とよばれています。 
春の大曲線
(星のならび)
 
北斗七星の柄(え、つまり、持つ部分)のカーブをのばすと、オレンジ色の明るい星が見えます。これはうしかい座のアークトゥルスです。更にのばすと、白い星が見えます。おとめ座の一等星、スピカです。この、北斗七星からアークツルスを通り、スピカに伸びるカーブは、春の大曲線と呼ばれています。 

北極星の見つけ方:
北斗七星の7つの星の水を汲む方からA,B,C,D,E,F,Gとして、AB を、BからAの方向に約5倍延ばしたところに、北極星が見つかりす。
カシオペヤの5つの星を、A,B,C,D,E として、AB と DE を伸ばした交点から C 方向に、約5倍延ばしたところに、北極星が見つかります。

星団や星雲、銀河、天体(下記以外にも、山ほどありますが、極めてメジャーなものを挙げておきます。)

M 8(散光星雲 いて座)
干潟星雲で有名な大きく明るい散光星雲です。南斗六星の西にあります。1.5度ほど北に三裂星雲のM20が見えます。M8とM20は周辺の星々とセットで、八の字を倒したように見えます。
(視直径60x35分、実直径44x26光年、距離2500光年)

M 20(散光星雲 いて座)
M8の北1.5度ほどのところにある散光星雲で、星雲が暗黒帯によって3つに引き裂かれたように見えることから、「三裂星雲」と呼ばれています。
(視直径29x27分、実直径18x17光年、距離2200光年)

M 17(散光星雲 いて座)
都会を少し離れれば、小口径の望遠鏡でも見る事のできる星雲で、形から「オメガ星雲」「白鳥星雲」「馬蹄星雲」など、たくさん、ニックネームを持っています。天の川に浮かぶ白鳥のようで、とても美しい星雲です。写真では赤く写るので白鳥でなく赤鳥でしょうか??
(視直径46x37分、実直径43x35光年、距離3300光年)

M 22(球状星団 いて座)
M13やM5をしのぐ大球状星団で、実直径は110光年と、M13よりもひとまわり大きい上に、距離も1万光年と、球状星団としては比較的近距離にあるので、視直径がとても大きく見えます。また、近いが故に、密集度が低く、小口径でも球状星団らしく見えます。 
(視直径17.3分、実直径111光年、距離1万光年 写真等級 6.3等)

M 57(惑星状星雲 こと座)
「リング星雲」や「ドーナツ星雲」の名前でおなじみです。都会でも、望遠鏡でぼんやりと見えます。タバコの煙で輪を作ったような感じです。
(視直径83x59秒、実直径0.87X0.61光年、距離2150光年 写真等級9.3等)

M 27(惑星状星雲、こぎつね座)
惑星状星雲としては、とても大きく、見やすい星雲です。鉄アレイに似ているところから、「あれい状星雲」と呼ばれています。銀行のマークのようでもあります。
(視直径480x240秒、実直径0.87x0.61光年、 距離970光年、写真等級 7.6等)   

M 13(球状星団 ヘルクレス座)
北天1と言われる、立派な球状星団です。天頂付近に南中するので、観察しやすい天体です。少し暗い空で、口径10cm以上の望遠鏡であれば、星がつぶつぶに見えるでしょう。大口径になると、立体的に見え、すばらしい眺めです。
(視直径10分、実直径98光年、距離2.2万光年 写真等級4.0等)

オメガω星団(球状星団 ケンタウルス座)
ケンタウルス座にある超巨大球状星団で、星団なのにωという名がついているのは、星に文字をつけた天文学者が、恒星と勘違いして、ω星として登録したからです。肉眼でも簡単に見える明るさですが、南にあって日本では高度が低いためなかなか見れません。
(視直径23分、実直径 153光年  距離 1.6万光年 写真等級 3.0等)

M104(系外銀河 おとめ座)
おとめ座にある銀河でメキシコ人の帽子「ソンブレロ」のように見えるので、「ソンブレロ銀河」と呼ばれています。渦巻き銀河を真横から見た形で、銀河を上下に切り裂くように走る暗黒帯が印象的で、空飛ぶ円盤のようでもあります。メシエ天体の中では最も遠く6520万光年も離れています。見かけは小さいのですが、実物は17万光年で大変大きな銀河です。
(視直径 9x4分、実直径17X6.6万光年、距離6520万光年 等級 9.0等)

M51(系外銀河 りょうけん座)
「こもち銀河」の名前でおなじみです。大きな銀河の腕の先に、小さな銀河が寄り添っていて、親子で手をつないだように見えます。
(視直径11x7分、実直径8.2x5.0万光年、距離2510万光年 等級9.0等)

M 3 (球状星団 りょうけん座)
春の夜空の代表的な球状星団です。春はおとめ座銀河団など銀河の宝庫で、望遠鏡を流して見るのが楽しみですが、そんな中にあって、異彩を放っているのがM3の球状星団です。巨大な球状星団で、大口径の望遠鏡で見るとド迫力です。 
(視直径9.8分、実直径114光年  距離4.5万光年 写真等級 4.5等 星数 5万個)

Mel 111(散開星団 かみのけ座)
双眼鏡の視野いっぱいに広がる巨大な散開星団で、空の暗いところなら肉眼でもその存在がわかります。この大きく広がった微光星の集まりを女性の長い髪の毛に見立てたのが「かみのけ座」です。あまりにも大きすぎるのでメシエ天体にもNGCカタログにも入っていません。  
(視直径5度 実直径22光年 距離270光年 実視等級2.7等 星数30)

M 65・66 NGC3628(系外銀河 しし座)
しし座の後ろ足のあたりに、3個の系外銀河が三角に並んでいます。ちょっと縦長の二等辺三角形です。M66はやや丸く膨らんでいて、M65は中心が明るく光るやや細長い銀河です。二等辺三角の頂点にあたるNGC3628は東西に細長くのびた銀河です。これらの銀河は局部銀河群と同じように、銀河群を恒星しています。
(M65 視直径10x3分、実直径13x   万光年、距離2900万光年 等級10.9等)
(M66 視直径 9x4分、実直径5.7x2.6万光年、距離2150万光年 等級9.7等)

プレセペ星団(M44)(散開星団 かに座)
かに座にある星団で、春の訪れを告げるかのような星団です。月明かりのない暗い空なら肉眼でも見ることができます。双眼鏡で見ると星がパラパラとたくさん見えます。プレセペ星団は英語でビーハイブと呼ばれ、ミツバチが巣(箱)に集まっている様子にたとえられます。
(視直径95分、実直径13光年、距離510光年 実視等級3.7等 星数75)

M101 (系外銀河 おおぐま座)
北斗七星の柄の先の星とミザールをつないだ線を底辺として三角を作ると、頂点位置より少し下に淡い銀河があります。渦巻き銀河を真上から見た状態の美しい銀河で,その見事な渦巻きから「回転花火銀河」と呼ばれています。写真で見ると、淡い腕の部分がきれいに渦をまいています。
(視直径29x27分、実直径19X18万光年、距離2250万光年 等級8.3等)

M 97 (惑星状星雲 おおぐま座)
北斗七星の器の先から2番目の星・おおぐま座β星の近くに淡く丸い星雲があります。望遠鏡でよく見ると中に黒い部分が2箇所あり、ふくろうの顔のように見えます。その顔から「ふくろう星雲」と呼ばれています。すぐ近くにM108という細長い銀河も見えます。
(視直径203x199秒、実直径 7.34x7.20光年、距離7460光年 写真等級12.0等)

M81・M82 (系外銀河 おおぐま座)
おおぐま座の後頭部あたりにならんでいる、銀河のペアです。倍率が80倍以下ぐらいなら、二つが同一視野に見え、偶然にも八の字に見えます。
南側(ハの字の右側)がM81で、渦巻きのわかりやすい向きなのに対し、M82は平たく(不規則銀河)中央がくびれており、案国体が入り組んでいます。
(M81視直径27x14分、実直径14x7.3万光年、距離1790万光年 等級7.9等  
 M82視直径11x4分、実直径5.8x2.2万光年、距離1790万光年 等級9.3等)


主な二重星(重星、連星) (というか、みつけやすい重星 あるいは好きな重星?笑)   

ダブルダブルスター(それぞれ連星 こと座     
こと座のε(イプシロン)1と、ε(イプシロン)2は、肉眼で見ると、一つ。双眼鏡などで見ると2つに見え、さらに、望遠鏡で倍率を上げると、それぞれが連星になっています。つまり、双子が二組並んでいるのです。かわゆい!
(ε1:  5.0等-6.1等 角距離2.53秒     ε2: 5.2等-5.5等 角距離2.36秒 ) 

アルビレオ
(はくちょう座 β星)
上記の主な天体のところでも、紹介しましたが、白鳥の口先には、「アルビレオ」という、とってもきれいな二重星があります。望遠鏡で見ると、オレンジとエメラルド色の二つの星が並んで見えます。「天上の宝石」ともよばれています。 観望会に参加する機会があったら、ぜひ見せてもらいましょう。「アルビレオ」とは、くちばしを意味しています。   

イルカ座ガンマ-星
ひし型の形をしたいるか座の頭の先にあるのが、γ星です。白と青の美しい二重星です。

プルケリマ(イザル) (うしかい座 ε星)
アークツルスのすぐ北にある3等星です。 プルケリマはロシア語で「最も美しいもの」という意味だそうで、黄色い2.7等星と青色の5.1等星の2つの星の対比の美しい連星です。 2.9″離れています。

アルギエバ (しし座γ星)
ししの大がま(裏向きはてなマーク)の、レグルスの2つ上にあたる星です。
2.6等星のオレンジ色の星と3.8等星の黄色が4″離れて見えます。,色の対比がきれいな連星です。周期は619年周です。

ポリマー (おとめ座γ星)
おとめ座の yの字の交点にあたる星です。 172年の周期で回っている連星です。  2006年には0.4秒でしたので、大口径の、しかもよほどシーイングの良い日でないと分離するのは難しい連星でしたが、その後少しずつ開いて来ています。

コル・カロリ (二重星 りょうけん座 110光年)
りょうけん座のα星は、望遠鏡でのぞくと、色の対比のすばらしい二重星です。 白色の2.9等星と紫色の5.4等星のふたつが約20秒離れてならんでいます。


ミザールとアルコル  (多重星 おおぐま座)
北斗七星の柄の先から2番目の星・ミザールは目の良い人ならすぐそばに4等星がくっついているのがわかります。この小さい方の星を「アルコル」と呼び、日本では「添え星」と呼ばれています。昔エジプトやアラビアなどでは、軍人になる際、視力検査に使われたそうです。
望遠鏡で見るとミザールにはすぐそばに別の小さな星がくっついています。さらに,ミザールも,まったく同じ明るさの2つの星が互いにまわりあっている連星であることで知られています。



おまけの話 その1
天の川
七夕で有名なおり姫(こと座ベガ)と、ひこ星(わし座アルタイル)、この二つの星の間を、天の川が流れています。天の川の上を白鳥が飛んでいます。
天の川は私達の住む銀河系の、星の多い部分の姿です。銀河系の円盤の水平部分、特に銀河の中心方向には無数の星が集まっており、これが光の帯となり、天の川が見えるのです。双眼鏡で天の川を見ると数え切れない星や星団が視野をうめつくします。天の川が星々の集まりだという事を実感できます。

こうした天の川を見られるのが、夏だけと思われがちですが、実は、一年を通して、天の川は空に見えています。
まず、地球が銀河系の中にある以上、銀河系は中心方向だけではなく、ぐるりと地球をとりまいていますから、中心と反対方向にも、銀河の水平部分が続いています。中心方向は、いて座やさそり座方向で夏に見えますが、秋にはカシオペアやペルセウス、そして、冬にはぎょしゃ、ふたごの足元、おおいぬ・こいぬ座あたりへと、ぐるり地球を囲む形で天の川はあるのです。

また、夏の星座が夏しか見えないと思うのも、あやまりです。地球の自転とともに、空が1回転するのですから、たとえば、6時に夏の星座が見えれば、12時には秋の星座、朝の6時に冬の星座が見えるわけです。したがって、夏の星座を冬見る事も可能なのです。「おりひめと彦星を見れるのは七夕の時だけ」と思ったら、おおちがい!実は一年中見えるんですね。(調べてみたら、日本の基準点、北緯35度東経135度で、一年通して2星は見え、なおかつ、1/3から1/22には朝夕二回も見えちゃうんです。調べた本人もびっくりです!)
おまけの話 その2

ベテルギウスは当分爆発しない
オリオン座のベテルギウスは、表面温度が低いので、赤く見えます。年老いて、不安定になった赤色超巨星の変光星なのですが、太陽の直径の700倍から1000倍の大きさ(太陽系にあったら、木星まで飲み込む大きさ)の間で、風船のようにちぢんだり、ふくらんだりしているそうです。肥満でダイエットとリバウンドを繰り返している星みたいですよね。ちなみに明るさも0.4等から1.6等ぐらいまで変わります。普通は0.4〜0.8等ぐらいを行ったり来たりしているのですが、数年置きにすごく減光するようです。そして、2006年10月あたりからの減光は著しく、ベテルギウスの隣の二等星(ベラトリクス1.6等)と変わらないほど暗くなったりしました。その後明るさが戻ったのですが、2019年末〜2020年には2等星ほどに暗くなり、その後復活しました。

私達の太陽が46億歳なのに比べ、ベテルギウスはたったの数百万歳ですが、質量が大きいので、もう寿命を迎える星とも言われています。この星の死の瞬間は、超新星爆発になる予定ですが、それが、いつなのかはわかりません。その様子が見れるようになるまでも、爆発から530年かかります。
近年の減光が、ひょっとすると超新星爆発の前兆ではないか・・・ともささやかれたのですが、2021年6月にNature に掲載された研究論文によると、そのようなことはなく、単に塵の雲に覆われていただけだったということが判明しました。
つまり、星が暗くなっているように見えたのは、塵のベールが星を覆っていたからだということです


ベテルギウスの超新星爆発、見たいなあ!


おまけの話 その3

ふたご座流星群の母天体

普通、流星群は彗星がまき散らして行った小さな塵(ちり)やカスの道を地球がくぐる際に起こります。この、流星群の元になる彗星を母天体と呼びます。
毎年12月14日頃に観測のできる「ふたご座流星群」の母天体は、ちょっと変わっていて、小惑星3200(ファエトン、又は、パエトン)と呼ばれる小天体です。この天体は1983年に発見され、その軌道が、ふたご座流星群の軌道に重なることから、これが母天体だろうと考えられます。

ただ、一般に、彗星は氷を沢山含んでいて、太陽付近にやって来ると、とけて、チリをたくさんばらまいて行く(尾も見える)のに対して、小惑星は岩でできている物が多く、流星群が見れるほど、たくさんのチリをこぼしては行かない物です。(尾もなし)
で、偉い学者さん達の至った結論は、「昔、彗星だったけど、チリになる部分は無くなってしまい、すっかりやせてしまって岩のような部分だけが残ったのではないか」という事です。つまり、彗星の「ミイラ」みたいなものです。
流星群になっているのは、まだ、彗星だった頃にこぼれたチリだろうということです。 
そんな事を考えながら、ふたご座流星群を見てみましょう。

おまけの話 その4

プレセペ星団は渡り鳥!

かに座のM44(プレセペ星団)は520光年ほどの所にある約600個の星の集団ですが、秒速41kmでいっかくじゅう座の方向に、そろって移動しています。星団まるごと移動していて、「渡り鳥星団」なのです。


参考資料:地人書館「天文手帳」、誠文堂新光社「天文年鑑」、「藤井旭の天文年鑑」、 立風書房 「星雲星団を探す」、AstroArts 「星空ハンドブック」、Wikipedia、技術評論社「天体観測手帳2021」、国立天文台ほしぞら情報
掩蔽、接近、宇宙関連、海外の暦等に関しては、友人の今谷拓郎氏や田口勝志のまとめられた情報も参考にさせて戴いております。心よりお礼申し上げます。
表現として、比喩など必ずしも適切ではないものがあるかもしれません。お許し下さい。(文責:あすとろけい)
あすとろけいのトップページ(移転しました)