今月の星空  〜初心者向け〜

2025年8月から 9月上旬の星空をご案内しまーす。
 (入退院が多くなっています。更新が出来ず申し訳ありません。 今後、更新が難しいかもしれません。ご了承くださいませ。)   
今月の星空惑星
8/01 金 上弦   8/1〜8/7 スターウィーク  
8/07 木 立秋 
8/09 土 満月 スタージャンムーン(Sturgeon Moon) チョウザメが成熟し、よく獲れる季節
8/11 月 山の日 
8/13 水 ペルセウス座流星群が極大   未明の東の低空で金星が木星に接近(離角1度以下まで近づく)
8/16 土 下弦   プレアデス星団(すばる)食  
8/19 火 水星が西方最大離角   日の出前の東の空で月が木星の斜め上に来て、月、木星、金星、水星と斜め直線上に並ぶ   
8/23 土 新月 
8/29 金 伝統的七夕(旧七夕) 
8/31 日 上弦   

GLOBE at Night   8月15日(金)〜8月24日(日) ヘルクレス座 / はくちょう座 を観察しよう  

明け方、東の空に金星と木星が輝いています。両方ともふたご座付近にあるので、ふたご座のポルックス、カストルとも共演しえにぎやかな長めです。
8/12 から13にかけて、ペルセウス座流星群が活発になります。 今年は8/13 午前5時頃がピークと予想されていますが、
あいにく、下弦前の月があり、条件としては良いとは言えないでしょう。
8/16 23時ごろから17日の01時頃に、プレアデス星団(すばる)が、下弦すぎの月にかくされます。
8/29 は、伝統的七夕の日になります。現在の暦による七夕は7/7ですが、おりひめも彦星も東の空低く、見やすいとは言えません。
やはり旧暦の伝統的七夕の日の方が、七夕の星々を見るには適しています。
天の川や織姫、彦星については、このページの一番下のおまけの話をご覧ください。


さて、おりひめ星(こと座ベガ)、ひこ星(わし座アルタイル)、はくちょう座一等星のデネブの三つをつなげた、夏の大三角が、東天から天頂にかけて、よく見えています。
また、南の空にはアンタレスのあるさそり座やいて座、天頂には、M13を持つヘルクレス座やこと座、はくちょう座など、夏の星座が広がっています。
東には秋の四辺形やカシオペアなど、秋の星座が上っています。



水星: 8/19 に 西方最大離角 となります。 明けの東天で見やすくなります。  
金星; 明けの明星として、明け方の東天に見えています。 木星と並んで人目を引いています。
火星: 夕方の西の空低く、何とか見えています。
木星: 明け方の東天で、金星と並んで、輝いています。 
土星: 9/22 に 衝 となるので、そろそろ観望の好機入りです。   
月の満ち欠け        8/01 上弦         8/09 満月          8/16 下弦         8/23 新月         8/31 上弦  
国際宇宙ステーションや、宇宙開発 日本人宇宙飛行士が活躍している国際宇宙ステーションが、夕方や朝方、見える事があります。
こちらに経路予報が載っていますので、参考にして下さい。
備考

用語の説明をしておきますね。
東方最大離角(とうほうさいだいりかく): 地球から見て、水星や金星が太陽から東側に最も離れることです。水星や金星は地球よりも太陽の近くを回っているため、太陽の光で、見えない事が多いのですが、最大離角のときは、太陽から離れる分、見やすいということです。勘違いしやすいのは、東方だから東の空かと、うっかり思いやすいのですが、太陽より東側に離れているという事は、夕方、太陽が沈んだあとに、西空に見えることになります。

西方最大離角(せいほうさいだいりかく): 地球から見て、水星や金星が太陽から西側にもっとも離れることです。水星や金星は地球よりも太陽の近くを回っているため、太陽の光で、見えない事が多いのですが、最大離角のときは、太陽から離れる分、見やすいということです。勘違いしやすいのは、西方だから西の空かと、うっかり思いやすいのですが、太陽より西側に離れているという事は、朝、太陽が昇る前に、東の空に見えることになります。

東矩(とうく):これは図でないと説明しにくいのですが、地球の外側をまわる惑星が太陽よりも東側にあり、太陽→地球→惑星をつないでできる角が90度になることです。太陽が真南にある時(南中)に、真東にあるという事になります。太陽が西に沈む時には、ちょうど南にその惑星があるわけです。

西矩(せいく): 地球の外側をまわる惑星が太陽の西側にあり、太陽→地球→惑星が90度になる事です。太陽が南中する時に、西の空にあるという事になります。太陽が東から昇って来る時に、その惑星は南にある事になります。
東矩と西矩は、地球の公転軌道よりも外側を回る惑星(外惑星といいます。)に限り、起こる位置関係です。

外合(がいごう): 地球の内側をまわっている惑星などの太陽系の天体に使う用語で、天体→太陽→地球が一直線上に並んだ状態、
つまり、地球と、水星や金星の間に太陽があるので、地球からは、太陽の向こう側で見えない事になります。
内合(ないごう): 地球の内側をまわっている惑星などの太陽系の天体に使う用語で、太陽→天体→地球が一直線上に並んだ状態、
つまり、地球と太陽の間に、水星や金星が入り、太陽と合うことです。

(しょう):地球の外側をまわっている惑星などの太陽系の天体に使う用語で、太陽→地球→天体が一直線上に並んだ状態、つまり地球から見て太陽とは反対側にその天体がある状態のことです。

(ごう): 地球の外側をまわっている惑星などの太陽系の天体に使う用語で、天体→太陽→地球が一直線上に並んだ状態、
つまり、地球と、惑星の間に太陽があるので、地球からは、太陽の向こう側で見えない事になります。地球の内側を回っている惑星の外合と同じ状態です。
冥王星 冥王星が、惑星から、はずされてしまった件については、こちらをごらんください。

 ↓星図は株式会社アストロアーツのステラナビゲータ(Version11)を利用しました
 星座別 ↓
 主な星の並びや目印、見つけ方を載せておきます。↓
 
 

2025/8/1/22:00   8/16/21:00  8/31/20:00   ごろの星空です。 (StellaNavigator/AstroArts Inc)
惑星については、16日の表示です。
大阪府高槻市の設定ですが、関西地方はもちろん、全国的に言っても、大方こんな風に見えます。
(視野全体が緯度や経度分、ずれる事になります。)


アンドロメダ大銀河(銀河)230万光年      ぺガススの四辺形の北東の位置、アンドロメダ座のひざ先の所に、アンドロメダ大銀河があります。2000億個〜3000億個の星の集団です。暗い空であれば、ぼおっとした物が肉眼でも見えます。      
 カシオペア(星座・星のならび)     2等星と3等星の星が5個並び、「」、逆さまだと「」の形に見えるのが、カシオペアです。カシオペアからも、北極星をみつけることができます。      
 フォーマルハウト
(恒星)25光年   
 南の空に「フォーマルハウト」という一等星が見えます。秋の星座は明るい星が少なく、フォーマルハウトは唯一の一等星です。    
ペガススの四辺形(星のならび)     ペガスス座の馬の胴体の部分になる4つの星をつなぐと四角形になります。これを「ペガススの四辺形」と言ったり、「秋の四辺形」と呼んだりします。ペガスス(ペガサス。星座の名前としてはペガススです。)は羽を持った、空飛ぶ馬です。  
アルビレオ(恒星)
385光年    
 
白鳥の口先には、「アルビレオ」という、とってもきれいな二重星があります。望遠鏡で見ると、オレンジとエメラルド色の二つの星が並んで見えます。「天上の宝石」とも呼ばれています。観望会に参加する機会があったら、ぜひ見せてもらいましょう。「アルビレオ」とは、くちばしを意味しています。        
デネブ(恒星)
1500-3000光年   
 
白鳥座の一等星で、白鳥のしっぽの部分になります。「デネブ」という名前も「尻尾」という意味です。白鳥のでんぶ(お尻の部分)にある『デネブ』です。     
北十字(星のならび)    はくちょう座は十字の形をしており、南の空にある南十字に対して、北十字と呼ばれています。     
ベガ(恒星)
25-26光年     
七夕の「おりひめ星」です。
「ベガ」は一等星の元になった星です。この星の明るさを0等として、他の星の等級も決められました。(その後の厳密な調査では0.03等。)ちなみに肉眼で見えるのは、いなかでも6等星ぐらいまでで、1等星は6等星の100倍の明るさで、一等級違うと、約2.5倍、明るさが違います。    
 
アルタイル(恒星)
17光年  
 
わし座の一等星で、七夕の「ひこ星」です。七夕の物語のとおり、「ベガ」と「アルタイル」の間に天の川が流れています。都会の空は、明るすぎて天の川はなかなか見えません。いなかに行ったら、ぜひ空を見上げてみましょう。    
夏の大三角
(星のならび)  
 
「ベガ」と「アルタイル」と「デネブ」をつなぐと、直角三角形に近い三角になります。
これを「夏の大三角」といいます。都会の空でもよく見えますよ。
 
アンタレス(恒星)    さそり座の一等星です。火星に対抗するもの(アンティ・アーレス)とも訳されたりします。  
北斗七星
(星のならび)  
 
ご存知、ひしゃくの形をした星のならびです。北斗七星は星座ではありません。星座はおおぐま座になります。水を汲む部分の淵の二つの星を五倍ほど伸ばすと北極星が見つかります。 
アークトゥルス
(恒星)37光年   
うしかい座の一等星で、「熊の番人」という意味のギリシャ語から名づけられました。春の星座である大熊座と小熊座の南にあって、背後の星たちを守っているらしいです。(それにしては離れているような気がしますが・・・)麦が熟れる頃に昇ることから,麦星,麦熟れ星,麦刈り星とも呼ばれています。アークトゥルスは全天恒星中 第4位、又は3位:アークトゥルスは変光もし、また、ケンタウルス座α星が連星なので、分けてとらえた場合で、アークトゥルスが明るい時はアークトゥスルが3位になります。  
春の大三角  しし座の2等星デネボラと、スピカ、アークトゥルスをつなぐと三角になります。これは『晴の大三角形』とよばれています。 
春の大曲線
(星のならび)
 
北斗七星の柄(え、つまり、持つ部分)のカーブをのばすと、オレンジ色の明るい星が見えます。これはうしかい座のアークトゥルスです。更にのばすと、白い星が見えます。おとめ座の一等星、スピカです。この、北斗七星からアークツルスを通り、スピカに伸びるカーブは、春の大曲線と呼ばれています。 

北極星の見つけ方:
北斗七星の7つの星の水を汲む方からA,B,C,D,E,F,Gとして、AB を、BからAの方向に約5倍延ばしたところに、北極星が見つかりす。
カシオペヤの5つの星を、A,B,C,D,E として、AB と DE を伸ばした交点から C 方向に、約5倍延ばしたところに、北極星が見つかります。

星団や星雲、銀河、天体(下記以外にも、山ほどありますが、極めてメジャーなものを挙げておきます。)

ペルセウス座二重星団(散開星団 ペルセウス座)
ペルセウス座にあるhx(エイチ・カイ)と呼ばれる星団のペアです。大きさも明るさも似ていてそっくりなペアですが、密集度の高い方がhです。xの方にはオレンジ色の星も見えます。望遠鏡で倍率を上げすぎると片方しか見えず、二重星団の良さがわかりません。40倍以下(接眼鏡の視野にもよりますが)で見る方が良いでしょう。大きめの双眼鏡だととてもきれいで華やかです。(都会ではやはりショボイです。)
(h視直径36分、実直径77光年、距離7330光年 実視等級4.4等 星数350)
(x視直径36分、実直径77光年、距離7330光年 実視等級4.7等 星数300)

M31 アンドロメダ大銀河(系外銀河 アンドロメダ座)
私達の住んでいる太陽系は銀河系という星の集団に入っており、2000億個もの恒星が集まってできています。宇宙には銀河がこれまた2000億個ほどもあると言われています。アンドロメダ大銀河は、お隣の銀河です。お隣と言っても230万光年(光の速さで230万年もかかる距離)も離れています。アンドロメダ銀河にある星の数は2000億とも3000億とも言われており、銀河系よりも少し大きいようです。都会では望遠鏡で見てもほんのりぼうっとした中心核の部分しか見えません。田舎に行くと、肉眼でも見えます。
(視直径191x62分つまり3x1度、実直径13x4.1万光年、距離230万光年、等級4.4等)

NGC7293(惑星状星雲 みずがめ座)
超大型惑星状星雲です。リング星雲と言えば、こと座のM57が有名ですが、これもドーナツの形をしています。巨大なドーナツです。らせん星雲という呼び方もあります。満月の半分ぐらいもある大きさなのですが、残念ながらあまりに広がってしまって、淡くなってしまった星雲です。望遠鏡でも大きすぎて全貌がわからなかったりします。惑星状星雲としては極めて近い所にあります。
(視直径900x700秒つまり15x13分、実直径2.5x2光年、距離580光年 写真等級6.5等)

M 15(球状星団)
ペガスス座の馬の鼻先に、ニンジンのようにぶら下がる球状星団(浅田秀夫氏著)です。ヘルクレス座のM13よりも一回り小さな、密集度の高い星団です。光害地では望遠鏡でも、恒星と見間違えられそうです。
(視直径7.4分、実直径88光年、距離4.9万光年、写真等級5.2等)

M 2(球状星団)
みずがめ座の三ツ矢マークの西にある球状星団です。こちらも密集度の極めて高い星団です。
(視直径8.2分、実直径104光年、距離5.2万光年、写真等級5.0等)

M 8(散光星雲 いて座)
干潟星雲で有名な大きく明るい散光星雲です。南斗六星の西にあります。1.5度ほど北に三裂星雲のM20が見えます。M8とM20は周辺の星々とセットで、八の字を倒したように見えます。
(視直径60x35分、実直径44x26光年、距離2500光年)

M 20(散光星雲 いて座)
M8の北1.5度ほどのところにある散光星雲で、星雲が暗黒帯によって3つに引き裂かれたように見えることから、「三裂星雲」と呼ばれています。
(視直径29x27分、実直径18x17光年、距離2200光年)

M 17(散光星雲 いて座)
都会を少し離れれば、小口径の望遠鏡でも見る事のできる星雲で、形から「オメガ星雲」「白鳥星雲」「馬蹄星雲」など、たくさん、ニックネームを持っています。天の川に浮かぶ白鳥のようで、とても美しい星雲です。写真では赤く写るので白鳥でなく赤鳥でしょうか??
(視直径46x37分、実直径43x35光年、距離3300光年)

M 22(球状星団 いて座)
M13やM5をしのぐ大球状星団で、実直径は110光年と、M13よりもひとまわり大きい上に、距離も1万光年と、球状星団としては比較的近距離にあるので、視直径がとても大きく見えます。また、近いが故に、密集度が低く、小口径でも球状星団らしく見えます。 
(視直径17.3分、実直径111光年、距離1万光年 写真等級 6.3等)

M 57(惑星状星雲 こと座)
「リング星雲」や「ドーナツ星雲」の名前でおなじみです。都会でも、望遠鏡でぼんやりと見えます。タバコの煙で輪を作ったような感じです。
(視直径83x59秒、実直径0.87X0.61光年、距離2150光年 写真等級9.3等)

M 27(惑星状星雲、こぎつね座)
惑星状星雲としては、とても大きく、見やすい星雲です。鉄アレイに似ているところから、「あれい状星雲」と呼ばれています。銀行のマークのようでもあります。
(視直径480x240秒、実直径0.87x0.61光年、 距離970光年、写真等級 7.6等)   

M 13(球状星団 ヘルクレス座)
北天1と言われる、立派な球状星団です。天頂付近に南中するので、観察しやすい天体です。少し暗い空で、口径10cm以上の望遠鏡であれば、星がつぶつぶに見えるでしょう。大口径になると、立体的に見え、すばらしい眺めです。
(視直径10分、実直径98光年、距離2.2万光年 写真等級4.0等)

M51(系外銀河 りょうけん座)
「こもち銀河」の名前でおなじみです。大きな銀河の腕の先に、小さな銀河が寄り添っていて、親子で手をつないだように見えます。
(視直径11x7分、実直径8.2x5.0万光年、距離2510万光年 等級9.0等)

M 3 (球状星団 りょうけん座)
春の夜空の代表的な球状星団です。春はおとめ座銀河団など銀河の宝庫で、望遠鏡を流して見るのが楽しみですが、そんな中にあって、異彩を放っているのがM3の球状星団です。巨大な球状星団で、大口径の望遠鏡で見るとド迫力です。 
(視直径9.8分、実直径114光年  距離4.5万光年 写真等級 4.5等 星数 5万個)

M101 (系外銀河 おおぐま座)
北斗七星の柄の先の星とミザールをつないだ線を底辺として三角を作ると、頂点位置より少し下に淡い銀河があります。渦巻き銀河を真上から見た状態の美しい銀河で,その見事な渦巻きから「回転花火銀河」と呼ばれています。写真で見ると、淡い腕の部分がきれいに渦をまいています。
(視直径29x27分、実直径19X18万光年、距離2250万光年 等級8.3等)

M 97 (惑星状星雲 おおぐま座)
北斗七星の器の先から2番目の星・おおぐま座β星の近くに淡く丸い星雲があります。望遠鏡でよく見ると中に黒い部分が2箇所あり、ふくろうの顔のように見えます。その顔から「ふくろう星雲」と呼ばれています。すぐ近くにM108という細長い銀河も見えます。
(視直径203x199秒、実直径 7.34x7.20光年、距離7460光年 写真等級12.0等)


主な二重星(重星、連星) (というか、みつけやすい重星 あるいは好きな重星?笑)   

ダブルダブルスター(それぞれ連星 こと座     
こと座のε(イプシロン)1と、ε(イプシロン)2は、肉眼で見ると、一つ。双眼鏡などで見ると2つに見え、さらに、望遠鏡で倍率を上げると、それぞれが連星になっています。つまり、双子が二組並んでいるのです。かわゆい!
(ε1:  5.0等-6.1等 角距離2.53秒     ε2: 5.2等-5.5等 角距離2.36秒 ) 

アルビレオ
(はくちょう座 β星)
上記の主な天体のところでも、紹介しましたが、白鳥の口先には、「アルビレオ」という、とってもきれいな二重星があります。望遠鏡で見ると、オレンジとエメラルド色の二つの星が並んで見えます。「天上の宝石」ともよばれています。 観望会に参加する機会があったら、ぜひ見せてもらいましょう。「アルビレオ」とは、くちばしを意味しています。   

イルカ座ガンマ-星
ひし型の形をしたいるか座の頭の先にあるのが、γ星です。白と青の美しい二重星です。

プルケリマ(イザル) (うしかい座 ε星)
アークツルスのすぐ北にある3等星です。 プルケリマはロシア語で「最も美しいもの」という意味だそうで、黄色い2.7等星と青色の5.1等星の2つの星の対比の美しい連星です。 2.9″離れています。

コル・カロリ (二重星 りょうけん座 110光年)
りょうけん座のα星は、望遠鏡でのぞくと、色の対比のすばらしい二重星です。 白色の2.9等星と紫色の5.4等星のふたつが約20秒離れてならんでいます。


ミザールとアルコル  (多重星 おおぐま座)
北斗七星の柄の先から2番目の星・ミザールは目の良い人ならすぐそばに4等星がくっついているのがわかります。この小さい方の星を「アルコル」と呼び、日本では「添え星」と呼ばれています。昔エジプトやアラビアなどでは、軍人になる際、視力検査に使われたそうです。
望遠鏡で見るとミザールにはすぐそばに別の小さな星がくっついています。さらに,ミザールも,まったく同じ明るさの2つの星が互いにまわりあっている連星であることで知られています。



おまけの話 その1
天の川
七夕で有名なおり姫(こと座ベガ)と、ひこ星(わし座アルタイル)、この二つの星の間を、天の川が流れています。天の川の上を白鳥が飛んでいます。
天の川は私達の住む銀河系の、星の多い部分の姿です。銀河系の円盤の水平部分、特に銀河の中心方向には無数の星が集まっており、これが光の帯となり、天の川が見えるのです。双眼鏡で天の川を見ると数え切れない星や星団が視野をうめつくします。天の川が星々の集まりだという事を実感できます。

こうした天の川を見られるのが、夏だけと思われがちですが、実は、一年を通して、天の川は空に見えています。
まず、地球が銀河系の中にある以上、銀河系は中心方向だけではなく、ぐるりと地球をとりまいていますから、中心と反対方向にも、銀河の水平部分が続いています。中心方向は、いて座やさそり座方向で夏に見えますが、秋にはカシオペアやペルセウス、そして、冬にはぎょしゃ、ふたごの足元、おおいぬ・こいぬ座あたりへと、ぐるり地球を囲む形で天の川はあるのです。

また、夏の星座が夏しか見えないと思うのも、あやまりです。地球の自転とともに、空が1回転するのですから、たとえば、6時に夏の星座が見えれば、12時には秋の星座、朝の6時に冬の星座が見えるわけです。したがって、夏の星座を冬見る事も可能なのです。「おりひめと彦星を見れるのは七夕の時だけ」と思ったら、おおちがい!実は一年中見えるんですね。(調べてみたら、日本の基準点、北緯35度東経135度で、一年通して2星は見え、なおかつ、1/3から1/22には朝夕二回も見えちゃうんです。調べた本人もびっくりです!)
おまけの話 その2

ベテルギウスは当分爆発しない
オリオン座のベテルギウスは、表面温度が低いので、赤く見えます。年老いて、不安定になった赤色超巨星の変光星なのですが、太陽の直径の700倍から1000倍の大きさ(太陽系にあったら、木星まで飲み込む大きさ)の間で、風船のようにちぢんだり、ふくらんだりしているそうです。肥満でダイエットとリバウンドを繰り返している星みたいですよね。ちなみに明るさも0.4等から1.6等ぐらいまで変わります。普通は0.4〜0.8等ぐらいを行ったり来たりしているのですが、数年置きにすごく減光するようです。そして、2006年10月あたりからの減光は著しく、ベテルギウスの隣の二等星(ベラトリクス1.6等)と変わらないほど暗くなったりしました。その後明るさが戻ったのですが、2019年末〜2020年には2等星ほどに暗くなり、その後復活しました。

私達の太陽が46億歳なのに比べ、ベテルギウスはたったの数百万歳ですが、質量が大きいので、もう寿命を迎える星とも言われています。この星の死の瞬間は、超新星爆発になる予定ですが、それが、いつなのかはわかりません。その様子が見れるようになるまでも、爆発から530年かかります。
近年の減光が、ひょっとすると超新星爆発の前兆ではないか・・・ともささやかれたのですが、2021年6月にNature に掲載された研究論文によると、そのようなことはなく、単に塵の雲に覆われていただけだったということが判明しました。
つまり、星が暗くなっているように見えたのは、塵のベールが星を覆っていたからだということです


ベテルギウスの超新星爆発、見たいなあ!


おまけの話 その3

ふたご座流星群の母天体

普通、流星群は彗星がまき散らして行った小さな塵(ちり)やカスの道を地球がくぐる際に起こります。この、流星群の元になる彗星を母天体と呼びます。
毎年12月14日頃に観測のできる「ふたご座流星群」の母天体は、ちょっと変わっていて、小惑星3200(ファエトン、又は、パエトン)と呼ばれる小天体です。この天体は1983年に発見され、その軌道が、ふたご座流星群の軌道に重なることから、これが母天体だろうと考えられます。

ただ、一般に、彗星は氷を沢山含んでいて、太陽付近にやって来ると、とけて、チリをたくさんばらまいて行く(尾も見える)のに対して、小惑星は岩でできている物が多く、流星群が見れるほど、たくさんのチリをこぼしては行かない物です。(尾もなし)
で、偉い学者さん達の至った結論は、「昔、彗星だったけど、チリになる部分は無くなってしまい、すっかりやせてしまって岩のような部分だけが残ったのではないか」という事です。つまり、彗星の「ミイラ」みたいなものです。
流星群になっているのは、まだ、彗星だった頃にこぼれたチリだろうということです。 
そんな事を考えながら、ふたご座流星群を見てみましょう。

おまけの話 その4

プレセペ星団は渡り鳥!

かに座のM44(プレセペ星団)は520光年ほどの所にある約600個の星の集団ですが、秒速41kmでいっかくじゅう座の方向に、そろって移動しています。星団まるごと移動していて、「渡り鳥星団」なのです。


参考資料:地人書館「天文手帳」、誠文堂新光社「天文年鑑」、「藤井旭の天文年鑑」、 立風書房 「星雲星団を探す」、AstroArts 「星空ハンドブック」、Wikipedia、技術評論社「天体観測手帳2021」、国立天文台ほしぞら情報
掩蔽、接近、宇宙関連、海外の暦等に関しては、友人の今谷拓郎氏や田口勝志のまとめられた情報も参考にさせて戴いております。心よりお礼申し上げます。
表現として、比喩など必ずしも適切ではないものがあるかもしれません。お許し下さい。(文責:あすとろけい)
あすとろけいのトップページ(移転しました)