小室選手の緒戦は福岡大学の三輪選手です。第二試合という早い始まりですが、それにしても真っ直ぐいちばん奥の第六試合場、吉田秀彦選手の復帰戦+体重別最終戦が行われる試合場だけあって、柔道選手の方も詰め掛けています。 吉田選手が32歳、今トップの選手が20〜25歳としても、9年前の小中学生のとき、吉田選手はバルセロナで金を獲っているのですから、ここにいる選手には吉田選手に憧れた人も多く、現役最高段位は風格を感じさせます。それはさておき… |
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さて、試合が始まります。序盤は、小室選手が先に組に行きます。先に持たれた三輪選手の右手を、小室選手は左釣り手で巧く制しながら、三輪選手の右釣り手を持たせないように動きます。 そこで三輪選手は両手で小室選手の左襟を持ちに行き、形を整えます。喧嘩四つの形から互いに引き手をもたないまま探り合いますが、0:06、小室選手が飛び込んでの小内掛けを仕掛けます。 |
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三輪選手は身を離して小内掛けを外し、上から潰そうとしますが、膝立ちの小室選手はそのまま仰向けになって腰を落とします。 その姿勢のまま三輪選手の上衣を持ち、前かがみになって上から攻めようとした三輪選手を寝技へと器用に手繰り寄せてしまいます。その様はまさに蜘蛛の巣のようです。 |
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下になった小室選手は上体をがっちりと制しながら、両足裏を三輪選手の太ももの内側に当てて持ち上げます。この為に三輪選手は宙に浮かされて踏ん張れなくなり、激しく動いて逃げようとします。 が、小室選手は機敏に回りながらこれを制して、三輪選手をひっくり返し、上から縦四方か肩固めか、袖車といった技を狙います。しかし三輪選手は足をフックして、足を抜こうとする小室選手の動きを堪え、くるりと身体を回してうつぶせになり、ここでようやく動きが止まって、『待て』が入ります。だいたい30秒近い一連の動きでした。 |
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次の局面では両者素直に組合い、多分ですが三輪選手が両手で袖を持つような形に切り替え、自分に優位な形を作ると軽く小外刈りをかけ、前に出ていきますが、小室選手はここで場外際の巴投げを出します。 |
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三輪選手は両手をつき、これを堪えますが、再び小室選手が下から寝技へと引き込みます。三輪選手は両脇を絞めて仰向けのまま耐えしのぎ、『待て』です。だいたいここまでで試合時間は1:30ぐらいでしょうか。 |
両者喧嘩四つ、組み手は釣り手を取りあってから引き手を奪い合う攻防になります。小室選手は釣り手を軸にした右の背負い投げを1:50に繰り出します。 三輪選手はこれを防ぎますが、あえて上になろうとはせず距離を置き、小室選手は座るような形で上体を起こして足を絡めて三輪選手を寝技に崩そうとしたと思うのですが、『待て』です。 主審は三輪選手が『消極的』として、『指導』を与えます。 |
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