空港には、飛行機やホテル等の手配を依頼したNorth Flight Alaska社の現地係員・田中さん(仮名)が迎えに来てくれていた。その田中さんの車で、今日はデナリ行き高速バスの発着所まで送ってもらうことになっている。まだバスの出発まで時間があるというので、まずスーパーマーケットに買物に連れて行ってもらった。水を半ダースと夕食用のサンドイッチを買い、それから鮭が遡上している川を見に行った。それでもまだ時間があったので、一旦田中さんと別れてアンカレッジの街を散策することにした.。
アンカレッジの街は道路が広く、碁盤の目のようになっているので覚えやすかった。海の方に歩いていくと坂道があり、どこか函館の雰囲気に似ていた。歩いてばかりでお腹がすいたので、五番街にあるビルのハンバーガーショップに行ってみることにした。肌寒かったので本当は温かい麺類が食べたかったが、売っているヌードルが不味そうに見えたので無難なホットサンドイッチにした。今日の夕食もサンドイッチなのに…。旅行から帰ったら、一番最初にうどんを食べようと思った。
14時頃、再び田中さんと合流して、バス発着所まで送ってもらった。バスはミニバスだったが、日本のマイクロバスと違って座席が広かった。アンカレッジを15時に出発すると、終点のデナリ国立公園には21時頃到着予定だという。約6時間のドライブだ。
田中さんは、高速バスの運転手のボブに「この二人はアラスカは初めてだから、出来たらマッキンリーシャレーホテルまで乗せて行ってくれないか?」と頼んでくれた。親切なボブはすぐに「いいよ!」と言った。聞けば、バスを降りてから5分ほど歩くという。5分くらいなら歩きますと言ったが、荷物があるし暗いと迷うから…というので、お言葉に甘えた。
乗客は、私たちを含めて6人だった。4人は50代のアメリカ人の夫婦二組で、陽気な観光客だった。アンカレッジを出発して暫くすると、車窓の景色は町並みから山と川と森の景色に変わっていった。小雨に濡れた黄葉の木々はしっとりした美しさを見せてくれ、長時間のドライブにもかかわらず退屈しなかった。途中で何回かコンビニやロッジでトイレ休憩をしながら、乗客を乗り降りさせて、20時40分にデナリ国立公園に到着した。ボブは、約束どおり私たちをマッキンリーシャレーホテルの玄関前まで乗せて行ってくれた。何時の間にか雨がやみ、夕闇迫る空から雨雲が消えていた。
INDEXに戻る 次のページへ