至仏山が、霧の中から姿を見せ始めた。
霧の流れは思ったより速く、レンズを交換するにも焦ってしまう。
誰も居ない尾瀬をのんびり歩き、定番ポイントにやって来た。朝は霧で見えなかったシラカバたちが、白く輝いていた。
三又近くまでやって来ると、木道の交換工事をやっていた。

私たちがお世話になる木道の傷みは想像以上に早く、耐用年数は7〜8年、長くて10年らしい。材料は国内産のカラマツだそうだ。

去年は木道工事の最中に雪が降ったことを思い出した。今年は雪が降る前に…と、急いで仕事をしているのだろうか。
帰りに研究見本園に寄ってみた。
小春日和ののどかな尾瀬、ベンチでお昼寝している人が一人居たが、さぞかし気持ちがいいことだろうと微笑ましく思った。

山ノ鼻ビジターセンターの七五三木所長を訪ねると、「今年はもう終わり?」と言われた。「いえ、たぶん、来週来ると思います」と応え、鳩待峠に向かった。それでも、いつものように何度も後ろを振り返りながらの帰り道になってしまった。

                おわり
〜2003年10月18日-20日:尾瀬沼から尾瀬ヶ原へ〜7          
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