朝9時25分、沼田駅に到着。大清水行きの路線バスに乗り換えるとバスは満席で、大きなザックを膝に乗せて窮屈に座った。
戸倉に着くと、夫と私以外は全員降りてしまい、車内は急にひっそりと、思いがけない開放感が広がった。

三連休の翌週だからだろうか、土曜日だというのに大清水はすいていた。
休憩所でマイタケ定食を食べ、ゆっくり仕度をして、晩秋の尾瀬沼に向かって歩き出した。
紅葉の見頃は過ぎていたが、柔らかい秋の陽射しに照らされて、思わず「綺麗だね〜」と言いたくなる木が時々あった。

私たちが尾瀬に滞在する三日間の天気予報は晴れ。今シーズンはずっと雨に降られていたが、今回だけは絶好のハイキング日和になりそうだ。これを機に晴れ女に戻りたい…。
岩清水を過ぎて、落ち葉の階段をゆっくり登った。
カサ、コソ、カサ、コソ…、ぽく、ぽく、ぽく…乾いた落ち葉と乾いた木道の音が耳に心地よく響く。

振り返ると、誰も居ない木道に秋の光が降り注いでいた。
ブナの幹に体を寄せて空を見上げた。茶色に縮れた葉も青空がバックだと美しい。
〜2003年10月18日-20日:尾瀬沼から尾瀬ヶ原へ〜1        
INDEXに戻る

次のページへ