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2002 CAMPEONATO JAPONES(Result)

開催日 2002/11/10(日) アダルト紫帯ペナ(注:小室選手の出場日がこの日です)
開催地 台東リバーサイドセンター内 3F第1武道場 (参考資料:地図建物外観
結果 優勝
案内サイト 柔術帝國軍/サイト内スケジュール

結果
アダルト紫帯ペナ級優勝&茶帯昇級
おめでとうございます!


試合内容
注:管理人は柔術観戦二度目の初心者で寝技の攻防は得意ではないので、所々に間違いがあるかもしれませんが、ご容赦ください。

2回戦:田村 貴生選手(パレストラ広島)   腕ひしぎ三角固め

田村選手は前に出つつも、足をかけ、自分が倒れながら巻き込み、もつれ合いの中、すぐひっくり返して小室選手の上を取り、2ポイント(有効2つ相当:勝手な解釈です)を得ますが、審判の顔を見てポイントを確認する田村選手の腕を小室選手はすかさずロックしています。

あまりこだわった感じがしないので、自分から引き込んだようにも思えます。

すかさず「得意の下からの形」を作り、右手で襟を持ち、喉を締め付けます。入りかけますが、審判による移動で中心へ戻り、この中でロックは外れています。

左で相手の左襟を交差する形で持ち、右腕は田村選手の左腕を抑え、流れるように三角絞めを仕掛け、田村選手は立ち上がりますが、腕が完全に伸びきり、1:57、「腕ひしぎ三角固め」で一本勝ちです。


準決勝:片庭 勝宣選手(AXIS柔術アカデミー) 突込み絞め

両選手間合いをはかりながら、小室選手が前に、片庭選手は下がります。小室選手が左釣り手を持つと片庭選手はしゃがんで引き込みますが、上になった小室選手はすぐ身体を密着させ、浴びせ掛けます。

多分、この動きでアドバンテージ(効果相当)1を得て、左腕は奥襟を持ち、右腕で袖車絞を狙うと、会場からは「車来た! 車来た!」と警戒の声があがります。

片庭選手は小室選手の右足を両足ではさみ、左手で帯を持ってひっくり返そうと動きますが、回りながら小室選手は右腕でコムロックを極め、突っ込み絞めで首を圧迫し、上体を起こした形の片庭選手はタップし、0:46、小室選手の一本勝ちです。

(補足:掲示板にて鉄男さんに教えていただきましたが、突込み絞めはコムロック■極めにありました。ご指摘、誠にありがとうございます!)
決勝戦:荒牧 誠選手 (パレストラ東京)   突込み絞め

荒牧選手の試合を少し見ていましたが、非常に柔術的でありながら、柔道の動きもしているようで、難敵という印象でした。後ろにいた人の話では昨年アダルトの青帯で優勝(一昨年も優勝)しており、準決勝の片庭選手も準優勝とのことでした。

開始すぐ、組みに来た小室選手の襟を右で持ち、荒牧選手はしゃがみこみます。小室選手は回りながら上になり、のしかかりますが、左足をはさまれています。背中を持ちに来た荒牧選手の左腕を小室選手は脇ではさみ、右で奥襟を持ちながら体重を乗せ、足を抜こうとします。

小室選手は膝立ち姿勢となり、荒牧選手は右腕で右襟を交差させる形で持ちます。小室選手が覆い被さってくると機敏にうつぶせ、そしてタックルに入る形になって、前傾姿勢で足を持ちます。柔術選手はここから転ばせるのが非常に巧いです。

荒牧選手はうつ伏せから足を送って仰向けになり、滑り込むように小室選手の下に入ります。小室選手は体重を乗せての縦からの攻めを狙いますが、半身で粘る荒牧選手は、深く入らせません。同じような形で立ち上がりかけますが、すぐに戻り、小室選手は攻め方を変え、荒牧選手の股を抑えての横四方に切り替えます。

この攻防も最初の形に戻り、小室選手が縦の形になります。荒牧選手は小室選手の脇の外に頭を抜いており、小室選手は奥襟を持っての絞めを狙えません。柔道では「片襟」に近い状態と言えば、わかるでしょうか? 何度か頭を抱え込もうとの動きを見せますが守りは固く、小室選手が袖を切った際に前のめりになったところを、荒牧選手は捕らえます。

すかさず足を持って立ち上がり、片足で跳ねて逃れようとする小室選手(形としては手押し車に近く、小室選手は手をついていました)を場外まで走って追い詰め、肩口を掴んで投げの形を作り、肩口から落として、先制の2ポイントを得ます。

会場からは大きな拍手が起こりました。試合時間は四分を過ぎており、柔術において、このポイント差は非常に大きく、寝技で同じ攻防が続けば、試合終了となる可能性もありました。

待ての後、飛び跳ねてから、荒牧選手はすぐ後ろに倒れ、小室選手を引き込みます。小室選手は上を取りますが、深く潜って荒牧選手はもう一度、タックルのような形での足を持つ姿勢を作り、小室選手は両足を引いて、転ばされないように守ります。

亀になりかけた荒牧選手を小室選手は足での三角絞めを狙う動きを見せます。そして起き上がって足を持とうとした荒牧選手の下に、今度は小室選手が入ります。このときは既に右腕を巻きつけています。自分にとって、最も見慣れている小室選手得意の「下からの攻め」であり、この荒牧選手との試合で初めての形です。

足で身体を三角ではさみながら背を伸ばし、コムロックでの腕極めを強め、左腕は荒牧選手の襟元に届いていました。荒牧選手の声が漏れ、次の瞬間、荒牧選手はタップして、小室選手が5:24、突込み絞めで一本勝ちでした。

小室選手は3試合すべてで一本勝ち、優勝を果たしました。

雑感
柔術の観戦をしている人はほとんどが競技者で、所属するジム・道場の応援に来られている方がほとんどで、声援も柔道と比較にならないほど細かい、寝技でのアドバイスばかりです。

競技が若く、その分、ほとんどが20〜40代の方々でした。帯による組み分けがあるので、階級によっては出場選手がふたりだったりと、人数不足が目立ちましたが、多いところでは28名いたりと、これから増えていくのではないかと、思います。

所々に、「柔道出身選手だな」と思える選手がいました。組み手争い・立ちでの投げ技の切れ、ほとんど立ち技だけになったりという場面もありました。一方、柔術的に試合開始と同時にふたりでスライディングするようにしゃがみこみあうシーンもあり、なかなか面白かったです。久しぶりに柔術を見ると、パズルを見るような試合ばかりで、よく極められるなと驚くことばかりです。

柔道に似ているといえば、「柔道ルネッサンス」で「会場使用時のごみ問題」がありましたが、柔術でもそれはひどいようでした。大会主催者の方が、「規制はしたくないが、このままでは会場が使えなくなる」とお話しており、続くようならば「飲食物持ち込み制限」「選手の飲み物(ペットボトルなど)持ち込み禁止」もあるとも言っていました。

ポジティブな面では、柔道ですと「待て」がありますが、柔術では形をそのまま残して停止し、審判が試合者の衣服を直したり、寝技の向きを変えたりと、なるべく現状維持を貫いており、審判と試合者の距離がいい意味で近いようにも思えました。審判はひとりなので、柔道以上に動き回り、試合者に配慮を下しているように見えます。

もっとも、これは柔術が厳しい昇級制度を持ち、「帯の色=実力」であり、審判は皆上級者なので、その実力への敬意によって裏打ちされているからかもしれません。

小規模な会場ですが、同じ道を歩く選手たちが多く、そして柔術を好きな人たちだけが会場に集まっていたように思え、雰囲気はよかったです。柔道と違って、垣根が低く、また長く続けられるような目標設定可能な大会や階級、帯による割り振りだと思いました。
 
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