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2002千葉県体重別柔道選手権大会
兼・千葉県民体育大会第二部大会(国民体育大会第二次選手選考会)

開催日 2002/06/30 09:00  先鋒・〜60kg級、次鋒・66〜73kg級、中堅・73〜90kg級、
副将・90〜100kg級、大将・無差別
開催地 千葉県・千葉県武道館(JR千葉駅よりモノレール『スポーツセンター駅』)
結果 優勝(2連覇)

レポート
小室宏二選手、出場の-73kg級にて優勝(2連覇)
国体・千葉県代表選出
おめでとうございます!

観戦記
2回戦:斉藤 恵太選手(南総:城西国際大学)

小室選手は左で釣り手を、右で引き手を持ちます。右手は相手の袖を殺し、斉藤選手は左の釣り手がなかなか持てません。小室選手が巴投げを見せ、下から斉藤選手を寝技に引き込みます。

小室選手は最初襟を持っていましたが、斉藤選手は右手で袖を持って動きを封じようとこらえ、仰向けになって逃れようとしますが、上に乗って体を回す中で小室選手は自身の両足で斉藤選手の左腕を極め、一本勝ちです。

決まり技:腕挫腹固(0:39)

3回戦:香取 真一選手(夷隅:国際武道大学)

対戦相手の香取選手は体格的にひとつ上の-73kg級の体格に見えます。小室選手左、香取選手右です。小室選手が左手で襟を持って、右手で袖を殺す同じ形です。香取選手は釣り手を上から下にぶらさがる形で、両選手前かがみです。

小室選手は袖釣りを見せ、左手が外れた後は袖を持った形から小内巻き込み、その足を持っての担ぎ上げと攻める姿勢を見せます。

少し離れて間合いを探り合うなか、一瞬の組際から左袖を持ってからの小内巻込で一本にも見えた「技あり」です。香取選手はすぐに小室選手の背中を取りますが、小室選手はそこから抜けて上を取ります。

守る為にうつ伏せになった香取選手の背を取り、ひっくり返そうとしながら左腕を香取選手の首下に回して襟を持ちます。しかし、ひっくり返すだけで終わらない、これからが小室選手の本領発揮です。

襟を確保するとすかさず袖車絞を出します。香取選手は身体を回転させて逃れようとしますが、より体重が乗る形で上になられてしまい、小室選手の一本勝ちです。

決まり技:袖車絞(1:02)

準決勝:中村 範政選手(東葛:京葉ガス)

以前、実業個人の際に小室選手自身に紹介していただいたライバル選手に、同じ足立学園の先輩・中村選手の名前がありました。今回、その対決が実現しました。試合はかなり荒れた展開となりました。

序盤、小室選手は右で、中村選手は左で、相手の袖を持ち、殺していきます。互いに袖を持ち合い、前に体重がかかった形になります。小室選手は背負い、中村選手は袖釣りのような形でそれぞれ相手の懐に入ろうとします。

しかも中村選手は袖釣(背負)で担いだときに身体を右に回して逃れた小室選手の左腕を狙い、体重を乗せての脇固めに持っていきます。小室選手は中村選手の動きに逆らわずにうまく身体を動かします。極めを外すと上になり、うつ伏せになった中村選手を攻めようとしますが、中村選手が袖を掴んで距離を詰めさせず、形が整わないまま、待てです。

小室選手、かなり気合が入っているのが伝わってきました。中村選手は前の実業のとき、そして前の試合もそうでしたが、ここでも少し足を引いて、戻ってきます。

さらに「待て」の間、帯を調える中村選手から小室選手、目線を外しません。殴ったように見えるほど両者の弾き合いは激しく、中村選手がしゃがんでの背負いを見せ、両選手袖を持ち合った形から小室選手が左を外した直後、中村選手が小室選手の右肘を肩に乗せての袖釣(逆一本背負いでしょうか?)で小室選手の身体が浮きます。

くるりと回転して小室選手は着地しますが、すぐに審判に「待て」を求め、右肘を押さえます。休憩の後、肘を一度さするだけで、小室選手、中村選手と組み合います。互いに前傾の前まで似た形となります。

すかさず小室選手、得意の「巴投げ→腕挫十字固」です。中村選手は立とうとしますが、参ったします。小室選手は背筋を伸ばし、腹筋を張って腕を極めました。小室選手のこの技は日本刀のように凄絶な切れ味です。

中村選手は長い間、腕を押さえていましたが、立ち上がると、傍らにいた小室選手と握手をします。互いに笑みは無く、気迫の篭もった目を合わせての握手でした。

投げ技での勝ちは「相手に勝つ」という感じですが、「関節技の参った」は「相手に負けを認めさせる」部分があり、柔道の技による唯一の、「自発的な敗北」です。柔道を生で見るようになって、『関節技の凄み』、?そしてそれを使う小室選手の気迫に、ただただ圧倒されました。

決まり技:腕挫十字固(1:06)

決勝戦:阿達 剛選手 (千葉県警察)

阿達選手は今日、5試合目です。しかも三回戦で了徳寺の小濱選手、準決勝では同じく了徳寺の西野選手に僅差判定、小室選手との対戦は三人目の了徳寺選手と、因縁めいた対戦となります。

一方の小室選手、全試合1分以内か1分弱と、研ぎ澄まされています。

小室選手は左、阿達選手は右です。阿達選手は小室選手の左肩辺りに右釣り手をあて、間合いを計っています。小室選手はその相手の右腕を担いでの一本背負いを見せますが、阿達選手はすぐ体を沈め、右で首を絞め、左を股の間に差し、小室選手の上になります。

「待て」の後、両選手、喧嘩四つの釣り手を持ち合う状態です。阿達選手が積極的に足を飛ばしたり、持とうとしたりと動きます。小室選手が先に引き手を持ち、そこから足を飛ばすと、阿達選手は両襟を持ち、互いに間合いを探りあい、「待て」です。

両選手に指導の後、小室選手は場外際、巴からの腕十字を出し、極めかけますが、これは阿達選手が立ち上がって、逃れます。小室選手、少し頭を打ったようですが、なんともないようです。

阿達選手は釣り手だけの内股を出し、さらに襟を持って体落しと足を飛ばしますが、防がれます。両襟を持って上からの圧力で小室選手を振り回しますが、小室選手は巴から下での攻防を開始しますが、腰を浮かせて深く入ろうとしたところで待てです。

両選手再度、喧嘩四つです。小室選手は腕返しのような形から上を取ると、袖車を出しながら阿達選手をひっくり返し、ついに縦四方固で押さえ込みます。そして講道館ルールなので30秒、一本勝ち、二年連続のこの大会優勝を決めました!

決まり技:縦四方固(3:17)
 
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