月と巨大地震の関係??
2011年3月11日、三陸海岸沖で、巨大な地震が起き、そして、多くの尊い命が失われ、多くの方々が被災されました。今なお(3/27現在)、25万人もの方々が、避難所で大変な生活をされています。この東北関東大震災で被災された方々に、心より、お見舞い申し上げます。
さて、こういった大地震の発生が月と何か関係があるのではないかと、よく言われるものです。
折しも、今月はスーパームーンとやら(満月近くに、月が地球に最接近する。Super Full Moon の事)で、3月20日(日本時)の満月の約1時間後に、月が地球に今年最も接近(356,575km
3/20/04:09)したので、これがあの地震と関係があるのではないかと思う気持ちもわからないではありません。太古の昔より、とかく、日食や月食などの天文現象と、天変地異とは関連付けて、考えられやすいものです。
もちろん、3月20日に、普段よりも、大きな月が見えた事は事実です(視野角33'30")。でも地震が起こったのは、3月11日であって、20日ではありません。
そもそも月は、地球の周りを真円を描いて回っている訳ではありませんから、近くなったり遠くなったりしています。
月は、地球の周りを一周するのに、約一ヶ月かかります。公転周期は平均27.32日で、近づいたり遠ざかったりするのですが、(太陽との位置関係などで、その軌道上の近地点:月が地球に最も近づく点は平均27.55日になるようです。)月が地球の周りを一周する間に、地球も公転していますから、新月から新月までは、約29.53日かかります。
更に、その公転軌道も毎月同じではありませんから、毎月、遠近を繰り返しながらも、最遠や最近の距離も少しずつ異なります。
地球と月の平均距離は約38万km ですが、+-2万km以上も離れたり近づいたりします。その差は14%もあるのです。
又、海の干満を見てもわかる通り、地球が月の引力の影響を大きく受けている事も、まぎれもない事実です。満月・新月には、大潮になり、半月の時には、小潮になります。そして、津波が、満潮時に重なれば高さも高くなるので、津波の大きさと月の位置とは、関係があるという事になります。また、当然海水だけでなく、地球全体に、月の力は働いていますから、地殻にも、その力が及んでいる筈です。(月だけでなく、太陽からも大きな力が働いていますが・・・)なので、月の接近が、地震の引き金になっても、おかしくはないかもしれません。
では、実際に、過去の巨大地震が起きた時はどうだったのでしょう?
歴史的な巨大地震TOP10 を調べてみました。(本当はTOP30 ぐらいまで調べようと思いましたが、10で、十分結論が明白だったので、やめておきました。)
順 | 年 | 日 | 時刻(UTC) | マグニチュード | 場所 | 経度 | 緯度 | 位置 | 地心距離(万km) | 月齢 | 出 | 南中 | 没 | 方位 | 高度 | 備考 |
1 | 1960 | 5/22 | 19:11:14 | 9.5 | チリ | 73W | 38S | Chile | 39.67 | 26.9 | 4:57 | 10:43 | 16:22 | 112.864 | 12.611 | 月没前、新月前 |
2 | 1964 | 5/28 | 3:36:00 | 9.2 | アラスカ | 148W | 61N | Prince William Sound, Alaska | 40.6 | 16.3 | 23:54 | 1:39 | 4:31 | 260.343 | -32.052 | 月は出ていない緯度高いので月低い |
3 | 2004 | 12/26 | 0:58:53 | 9.1 | スマトラ沖 | 95.85E | 3.316N | Off the west coast of Northern Sumatra | 40.55 | 14 | 18:25 | ** | 6:11 | 121.842 | -23.262 | 月没後、15:06満月、最遠前日 |
4 | 2011 | 3/11 | 05:46:23 | 9.0 | 日本三陸 | 142.369E | 38.32N | Near the east coast of Honshu, Japan | 39.65 | 6.4 | 8:41 | 16:09 | 23:41 | 307.128 | 66.417 | 月南中前 |
5 | 1952 | 11/4 | 16:58:26 | 9.0 | カムチャッカ | 160E | 53N | Kamchatka | 38.72 | 16.8 | 19:06 | 3:20 | 12:30 | 43.425 | 58.256 | 月南中前 |
6 | 1868 | 8/13 | 21:30:00 | 9.0 | チリ | 70.285W | 18.455S | Arica, Peru (now Chile) | 37.09 | 25 | 2:26 | 8:14 | 14:00 | 97.601 | -47.015 | 月没後 |
7 | 1700 | 1/27 | 6:00:00 | ~9 | 北米西海岸沖,Calif-Vancouver | 133W | 43.5N | Cascadia Subduction Zone | 38.83 | 7 | 10:30 | 16:59 | 23:38 | 72.049 | 26.562 | 月没前 |
8 | 2010 | 2/27 | 6:34:14 | 8.8 | チリ | 72.73W | 35.9S | Offshore Bio-Bio, Chile | 35.82 | 13.2 | 18:47 | ** | 5:10 | 132.290 | 24.718 | 月北中後 |
9 | 1906 | 1/31 | 15:35:00 | 8.8 | エクアドル | 81.5W | 1.0N | Off the Coast of Ecuador | 40.39 | 6.9 | 11:53 | 18:03 | ** | 261.961 | -19.403 | 月出前 |
10 | 1965 | 2/4 | 5:01:00 | 8.7 | アラスカ | 178.5E | 51.5N | Rat Islands, Alaska | 39.69 | 2.5 | 11:10 | 16:11 | 21:23 | 42.793 | 17.104 | 月没前、新月後 |
地球〜月までの平均距離は384,401km です。上記で、これを超えたものが、8こもあります。つまり、平均より遠い位置に月が居た時でも、たくさんの巨大地震が起こっています。(ってゆうか、驚いた事に、遠い時が殆ど。)
上記を見た限り、月が地球に接近する事と、巨大地震の発生とは、直接、関係ありそうにありませんので、どうかご安心の程をお願いします。
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