トカラ皆既日食リポート
快適な滞在、豪華な食事、温かい応対・もてなし、素晴らしい自然、楽しい仲間!
コロナ・ダイヤモンドリングは見えませんでしたが、皆既日食を体感する事ができましたし、
思いのほか、楽しい旅になりました。(負け惜しみでなく、本当に!)
2009年7月22日、ご存知の通り、インドから太平洋にかけて、皆既日食が見られました。
この日食は、皆既継続時間が今世紀最長という大日食でした。日本で、一般人がアクセス可能な陸上の皆既域は、種子島の南部、屋久島から、喜界島、奄美大島の北部の地域に限られていました。(北硫黄島は無人島。硫黄島は一般人に開放されていません。)
そして、その皆既帯にすっぽり入っていたのが、トカラ列島(十島村)でした。
その為、今回の日食はトカラ日食とも呼ばれました。
私は、このトカラ日食の「本丸」トカラにお邪魔いたしました。
このレポートは、日食の報告だけでなく、下見を含めてお邪魔したトカラの魅力もご紹介したいと思います。
なお、許可を頂いていない方の人物の顔は、ぼかしをかけてあります。ご了承下さい。
また、デジカメの時刻設定が間違っていたので、オリジナル画像データ内の時刻は無視して下さい。(本人にしかわからないです。)
「トカラ列島」という名前を、今回の皆既日食で初めて知る方はとても多い事でしょう。 九州の南、屋久島と奄美大島の間、南北162kmに点在する小さな島々です。 有人7島、無人5島の合計12島で、十島村という一つの村です。162km というと名古屋ー金沢間の距離に相当し、本州を横断するほどの距離に一つの村があるのです。 九州からも沖縄からも離れている為、独自の文化や動植物の分布が見られますが、同時に琉球文化や大陸文化と大和文化との交流点でもあるようです。 驚いた事に、村の役場が村の中にはなく、なんと鹿児島市内にあるのです。なので、仮に宝島の方が役場本庁に行こうと思ったら、直線距離で320km、横当島から役場までは348kmもあります。比較に他の地域の直線距離を測ってみました。 東京都ー兵庫県 332.119(東京都雲取山ー兵庫県篠山市) 東京都23区(世田谷区)ー京都市 338.21km 東京都ー神戸市 354.744km(東京都雲取山ー神戸市東灘区) つまり、役場に行くのに、東京から神戸に行くようなものなのです。ちなみに、交通手段は週2便の村営フェリーのみなので、役場まで往復するのに4日もかかってしまいます。 こういった意味もあり、「十島村は日本一長い村」と呼ばれたりします。(有人行政区では日本最長) (このトカラ列島に関する本、「日本一長い村」(梓書院)が出版されました。) また、周囲から光害を受ける事がないので、夜は満天の星空を楽しむ事ができます。その星空の素晴らしさは、自分が宇宙に漂っているかのような錯覚さえ覚えさせてくれる程。 夕方から天の川が見え、黄昏が終わる頃には、全天が無数の星で埋め尽くされるのです。 海が穏やかな夜には、その星々が、そして、天の川さえ、水面(みなも)に映るというのですから、絶句ものです。 又、雲を通して、天の川がわかります。天の川は光の集まりなので、薄雲だとそこの部分だけ明るいのです。そこに天の川があるのがわかるのです! ここは、「宇宙に手の届く村」なのです。 |
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陽が沈むとすぐに天の川が見えた。 西に夕焼け、東に天の川! |
天文台に漏れ入る星空と、宇宙を見つめる、すまる望遠鏡 | 満天の星空(露出4分F3.5) 実はドーム(そんなに反射率が高い訳でない)にも星が映っています。 |
薄明後の天の川。暗黒帯がはっきりとわかります。 (09/9/23 19:23撮影たったの130秒露出) |
TOKARA中之島天文台 口径600o反射望遠鏡(カセグレン)が顔を出しています。天文台の左上に月もあります。 |
待遇他について・・・
私達は、開発センターに宿泊しました。 申込の際、ツアー会社の案内には、非常に厳しい注意書きが沢山書いてありました。 |
※仮設シャワー及び温泉施設は同時使用数にかぎりがありますので、弊社にて時間帯の割振りをし、制限を設けさせていただきます。 ※温泉施設は島民も利用するため、利用時間を限定させていただく予定です。 ※島の水道設備は供給量に限りがあります。仮設シャワー等、水の使い方についても制限をさせていただきます。節水にご協力ください。 食事について ※体育館またはテント宿泊者…島内にはレストランや調理済み食品の販売施設がございません。食事業者による提供になります。 ※民宿宿泊者…民宿で食事の提供をいたします。(一部民宿によっては、食事業者による提供になります) ※気温は日中35℃を越す蒸し暑さになることもあります。 体育館…※キャンプ用マット利用。男女共同生活となります。クーラーの冷房施設はないため、かなり暑い状況が予想されます。 テント…※男女別相テント などなど・・・・こうした条件を覚悟し、金額も承知した上でないと、ツアーに参加申し込みができませんでした。 |
で、相当過酷と思って行ったのですが、何と、到着してみると・・・ ・エアコン完備の畳の間(確か10畳?+床の間+縁側 に4名) ラッキー!! ・布団・枕で就寝 ・お風呂:18時〜22時まで自由 ・シャワー(御湯がちゃんと出る):朝 6時〜24時まで自由に利用可能(もちろん、皆が使い放題では、貴重な水が不足する可能性もありますから、入口には、一人20分程度として、譲り合ってご利用下さい。とあります。) ・水は一人一日ペットボトル5本ずつ支給 ・充電専門コーナーがあり、ずらずらといっぱいコンセントが並んでいました。携帯もPCもひげそりも??カメラも充電器もとにかく何でも、そこで充電。 ・洗濯は大きなコインランドリーがありました。(乾燥機は別にあり、高かったようですが、電気も大変貴重ですから、当然でしょう。) ・何より、食事が豪華でした。 霜降りしゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキ、伊勢海老、蟹、あわび・・・・・鹿児島から有名なシェフがお越しで、直接調理していたそうです。 ご飯こそ、レトルトパックでしたが、器に盛ると、洗うための水が必要になり、更に排水処理も大変になりますから、パックで充分と思いました。 又、島の皆さんの手作りのケーキもとってもおいしかったです。センター内に、喫茶コーナーも設けて下さっていました。 |
日食会場 (中之島小・中学校) | ||||
小学校と中学校が一緒になっています。横の星空(宇宙)と天文台の絵がかわいいです。 | 更に宇宙的な絵が道の脇の壁に。 | 現在児童生徒数は8名との事。 校庭がひろーい! |
まるまるゆっくりみるみる! オノマトペガーデン! |
子ども達の描いた中之島のおもしろマップもあります。素晴らしい! |
日食当日 (下記の画像の多くを、中之島天文台の福澄台長さんからご提供頂きました。台長さんの報告(日食マニュアルも)サイトはこちらです。この場をお借りしてお礼申し上げます。) 日食当日(7/22)。生憎、梅雨前線が南下してきて、滞在中で最悪の天気になってしまいました。 |
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子ども達をマスコミが取材していました。 | 子ども達は、それぞれ自分で決めた課題などもあるようで、気温や、風向・風力・照度など測っていたようでした。 | 第一接触後 雨が厳しくなって来ました。 |
ついに、雷が鳴り、激しい雨になりました。 校庭には、誰も居なくなりました。 |
皆、雨宿りしながら、上空を見つめたり、撮影したりです。 |
第2接触前に、雨が小止みになりました。天文台の台長さんが、校庭中央に走り出し、「月の影が見えるよー!」の掛声! 私達も校庭に走り出し、西の空を見ると、真っ暗な空がやって来ます。本影錐よりも、わかりやすいかもしれません。「皆既帯がやって来た!」と思いました。 天気が悪くとも、やはり皆既帯は皆既帯ですね。あたりが異様な暗さになって行き、皆既帯が頭上に来ると、周囲は「闇」に包まれました。 その暗さは、エジプトやゴビ砂漠での皆既時よりも、ずっと暗いものでした。人の判別がつかない程で、皆の持っているカメラやビデオ、PCのモニターだけが光り、人を照らしていました。 |
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第二接触直前、月の影が西からやって来るのがわかりました。 | 瞬く間に影が上空を覆いました。 | 空も周囲も真っ暗になりました。 | デジカメのモニターだけが見えました。 蛍も勘違いしたのか、マスコミのカメラに写っていました。 |
本当に真っ暗でした。 ゴビ砂漠でも、エジプトでも、このような暗さは味わった事がありません。 |
ビデオカメラの露出最大でもこれだけ真っ暗でした。。 皆既終了1分前、西の空が、うっすら明るくなってきました。 |
西の空が更に明るくなってきました。東の空は真っ暗なままでした。 | 西から、皆既が終わるのが見えて来ました。 |
皆既終了30秒前。 明らかに西の空が明るくなってきました。空によっては、赤く見える部分もありました。 |
皆既と皆既でない部分の差がわかった気がしました。 月の影の終り部分が太陽(月)の位置に来た時に、雲の上では、ダイヤモンドリングだと思いました。 |
情景編(道中編?)
季節によっては、こんな口之島が、見えます。 | 朝陽に浮かぶトカラ富士。美しいですね。 |
風景・情景 (中之島編) | |||
中之島到着後、バスで宿泊先に移動。バスは坂道を登って行きます。 | 高原風の所に、私達の滞在する開発センターがあります。 | 草原が気持ち良いです。 | 我らがアイドル・ミサキちゃんデビュー!ライブでドアップを世界にOnAir中(ライブ!ユニバース・スタンバイOK) |