高山選手は東京の予選と全日本団体で、繁昌選手も全日本団体で、試合をする姿を見る機会がありました。体重差は実に60kgですが、繁昌選手は団体戦の経験や4度目の出場ということで、体重差を補う試合運びに、高山選手も団体戦経験で自分よりも軽い選手との試合も多くこなしていると思いますので、どういう展開になるか注目しました 両選手、右組み手です。先に繁昌選手が手首を捻りこむ感じで下から釣り手を押し上げて持ち、間合いを作り、何度もあおります。高山選手は右釣り手が持てず、左の引き手を繁昌選手の右釣り手の脇の辺りに当てて、踏み込ませず、やや喧嘩組み手のようです。 両選手互いに牽制しあい、0:28、教育的指導です。この後はやや前に出る形で、繁昌選手が主導権を握り、高山選手に釣り手を持たせず、足を飛ばしたり、高山選手も返したりと、組み合えない中での攻防が続きます。 繁昌選手が内股で崩れ、寝技も待ての後、高山選手がようやく右で襟を掴みます。しかし繁昌選手の左引き手が厳しく、巧く体重を乗せる形でこれを切り、両者離れます。1:51、両者に指導です。 高山選手も前に攻勢を強め、釣り手を持ちますが、繁昌選手は先ほどと同様の形で前傾になり、高山選手の釣り手に顎や身体を乗せる形にします。奥襟を持ってはいないので体勢が低くなると、力を乗せにくくなります。高山選手は足を技を飛ばしますが、繁昌選手は前傾の形から体落しなど、繰り出します。 展開的に高山選手が組み手を有利に運び始めます。少し前までは先に釣り手を持ち、間合いを取った繁昌選手ですが、高山選手の釣り手を防ぎ、やや下がり気味になります。高山選手は手を休めず、奥襟を持つと足払いや内股などで攻めます。繁昌選手のスタミナロスが序盤の攻防で大きかったようで、息が大きく乱れています。 繁昌選手も大外、大内と攻め、奥襟を果敢に持ちに行きますが、今度は釣り手を高山選手に外されてしまいます。それでも引き手を持った形から小内で体を揺るがし、その直後から序盤のように、少し押されながらも組み手を厳しく弾き、自分の形を作ろうとします。 しかし、高山選手にほとんど釣り手を外され、高山選手の引き手に巧く殺されてしまいます。技を出すものの組み手が十分ではなく、外れてしまい、どちらも明確なポイントは無いままに旗判定となります。 判定は3−0で赤の高山選手となりました。繁昌選手が多く技を出し、動いていきましたが、後半は高山選手の体が崩れず、技をかけ終えたときに両手が離れる形があり、場外にも押し出される形があったので、やや押されているように見えました。 序盤はいいところをなかなか持たせてもらえなかったのですが、中盤から後半、高山選手が組み勝った部分で評価されたのだと思います。 |
12 | 高山 一樹 | ○ | 旗判定(3−0) | × | 繁昌 久哲 |