全日本選手権大会
第十五試合


赤:平 智哉選手

(大阪府警←東海大学:3回目:近畿地区代表:180cm・100kg)

白:小嶋新太選手

(綜合警備保障←日本体育大学大学院:2回目:東北地区代表:180cm・100kg)

久しぶりの、約一ヶ月ぶりの記述です。この試合は両者まったく同じ身長・体重という、異色の組み合わせです。100kg級というと井上康生選手・智和選手鈴木桂治選手と注目が集まりますが、小嶋選手は昨年の実業個人2位(その前年は優勝)講道館杯で3位と、着実に地歩を築いています。

平選手は、平成8年全日本ジュニア優勝・平成9年フランスジュニア国際優勝とあり、三回目の出場です。

いきなり小嶋選手が襟を持つところから試合が始まります。左組み手とありますので、襟といっても奥まではいかず、充分に組む為の最初の動きのようです。これを平選手は自身も左手で相手の袖を取りに行きながら、同時に思い切り小嶋選手の右腕を弾いて外し、距離を取ります。

再度、先に仕掛けるのは小嶋選手です。右手で襟を取りに来るのを平選手は軽く捌き、逆に先に組めたのは平選手です。軽い形での足払いを出しますが、すかさず小嶋選手は釣り手を取って、内股を繰り出します。

これを平選手は受け、小嶋選手は下げた足を再度上げて攻めますが、身体を離されてしまい、技はかかりません。

平選手の足払い

小嶋選手の内股

小嶋選手の払い腰

がっぷり組み合った状態から小嶋選手は左釣り手を離して相手の右引き手を外そうとしますが、それにこだわらず、相手の引き手を持ち、少し下がりながら巻き込むように払い腰です。

これをしのがれて体を戻したときには、もう完全に左の釣り手を確保しており、まるで前の払い腰が準備動作だったように、そこから切れ味鋭い内股で平選手を投げ、『技あり』となります。

小嶋選手の内股

必死に返そうとする平選手

すかさず袈裟固めでがっしりと抑えこみますが、平選手は最後まで諦めません。下から何度も腕を動かして、空いていた小嶋選手の襟元を掴みに行き、動きを休めず、小嶋選手は離すまいと懸命に動きながら、ねじ伏せ、あごも上がらないように引きます。

25秒が経過し、『技あり』、合わせて『一本』の総合勝ちとなったとき、少し見えた小嶋選手の胸は、平選手の下からの攻撃を残すように、こすれてか、赤く染まっていました。



平 智哉 × 合せ技(00:52) 小嶋 新太

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