全日本選手権大会
第二試合


赤:前田 満山選手

(愛媛県警←松山大学:初出場:四国地区代表:175cm・83kg)

白:村瀬 秀行選手

(旭川大高教員←早稲田大学:3回目:北海道地区代表:182cm・115kg)
今回、最軽量の部類に入る前田選手と、重量級の村瀬選手との体重差は実に32kgあります。試合を見てもその大きさの差は随分と感じられます。軽量の前田選手への声援が子供から送られるように、以前の古賀選手、今回の瀧本選手と、軽量の選手が見せてくれるかもしれない、無差別の醍醐味を、会場は期待しています。

組み手は喧嘩四つ、前田選手が右、村瀬選手が左です。開始すぐ、両者に教育的指導が与えられます。それからは村瀬選手が体格差を利して、すかさず組み手をコントロールして、自分の体勢に持っていきます。前田選手は、頭が下がってしまいます。

村瀬選手の組み手

それでも出足払いで前田選手は村瀬選手の足元を揺らがせるなど、攻撃を続けますが、その直後、村瀬選手は勢いよく大外刈りへ踏み込みます。前田選手、これをしのいで、すかさず、足払いをしようとしたのでしょうか? 右足を蹴り上げるのですが、空を切り、それを村瀬選手が逆に足を払います。この攻防はポイントにはなりません。

喧嘩四つでなかなか組ませないようにと前田選手も村瀬選手も頭を下げて寄せますが、村瀬選手は先に内股を出し、少しだけ前田選手を浮かせます。終始、村瀬選手が技をかけていき、大きく踏み込んで、足を刈ろうとしたところを、前田選手は背中を持って堪えます。

両足が浮いてしまうのですが、なんとか踏みとどまり、押してくる村瀬選手を逆に前田選手が下から崩していき、小外掛けを繰り出します。

しかし、相手を倒すには至らず、間合いを詰める格好で、再度、組み手からの攻防が続きます。村瀬選手が払い腰を見せましたが、前田選手がこれを耐え、ようやく場外で、一呼吸置かれます。

非常に長い、攻防でした。

軽量の前田選手が村瀬選手の頭を抑えた、写真が右のものです。


前田選手の小外掛け

追い詰める村瀬選手

仕切りなおしてからは再び村瀬選手が、前田選手を試合場の奥へ奥へと追い詰めていきます。村瀬選手は浅い内股のような形で前田選手を崩し、回り込んで耐えた前田選手へ軽く左足での足払いを見せてから、自分が回りながら大きく踏み込んで、払い腰を見せます。

完全に持ち上げられてしまい、綺麗に一回転して、村瀬選手の一本勝ちとなりました。

重量級の選手は攻めが遅いと言いますが、今回は村瀬選手が確実に主導権を握り、技を終始かけていく積極的な内容でした。

前田選手はバランスよく、何度も何度も技を受けていたのですが、最後は強引に持っていかれてしまいました。

村瀬選手の払い腰1

村瀬選手の払い腰2




02 前田 満山 × 払い腰(02:51) 村瀬 秀行

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