全日本選手権大会
第一試合


赤:古田 昌直選手

(セコム←中央大学:2回目:東海地区代表:178cm・105kg)

白:上水研一郎選手

(総合警備保障←東海大学:2回目:東京地区代表:183cm・125kg)

まず始めになんですが、自分、思ったよりも講道館ルール、忘れていました。今回のルールでは、『有効(注意)』から初めて掲示板につきます。『教育的指導』は審判が手を回して、指差すときにマイクでは何も言いません。『指導』の場合はきちんと『指導』と宣告します。『効果』は存在しないので、技によるポイントも発生せず、『有効』からです。

ですから、いきなり『教育的指導』『指導』を飛び越えて、掲示板にポイントが発生する『場外注意』は、非常に重い反則だと、以前、聞いたことの重要性がはっきりと理解できました。普段見ている分には、国際柔道ルールだけなのですが、こうして講道館ルールに接すると、やや戸惑いがありますね。でも、こっちの方がすっきりしているなと、思います。来年にはまた相違点を忘れていそうなので、ここにメモします。

さて、試合です。

上水選手の組み手
セコムの古田選手と綜合警備保障の上水選手と、同業界の試合です。応援団は出身大学で構成されているようです。古田選手は中央大学、上水選手は東海大学でして、特に今回は東海大学の出身者と思える人が会場のあちこちから、檄を飛ばしていました。

初めての試合ですが、アリーナで見ると選手がやけに大きく見えます。ごつごつした組み手争いも、音まで伝わってきます。上水選手は東京都大会でちらっと見ましたが、かなり一本勝ちで勝ち上がっていましたので、心の中での注目選手でした。一方、古田選手は母校の中央大学の出身とあり、複雑な心境でした。

試合時間は六分間と、やや長いです。古田選手が左組み手、上水選手も同じで、すんなりと組んでいる印象もありましたが、古田選手は奥襟を持たれないように何度か、上水選手の釣り手の肘の部分を制しています。じっくり見てみると、まず上水選手が奥襟を持つ為に手を伸ばし、その肘を古田選手の引き手が制し、持たせないようにします。この争いで上水選手が奥襟を持つと、上水選手の引き手を切ろうとします。しかし、上水選手が引き手を持とうとすると逆に今度は古田選手が上水選手の襟を持つ、こうした攻防が、一瞬で行われています。

試合の全体では上水選手が先に奥襟を取り、古田選手の頭を下げさせています。開始後しばらく、古田選手に『教育的指導』が与えられます。「いまいまいまいま」と、東海大学先輩と思える近くの人が技をかけるタイミングを何度も言っていましたので、玄人の目から見ると上水選手にはかなりいい組み手が何度もあったようです。

古田選手が釣り手を抑える
組み手を切る回数は古田選手の方が、多かったです。技はお互いに探るような感じで、少し浅く、かけても潰されてしまっていました。技の数自体は上水選手の方が多かったように思えます。試合終了直前、上水選手が『教育的指導』をもらいましたが、判定は白三本で上水選手が、初戦を飾りました。

今回の大会は『有効』もあまり出ていなかったようで、ポイントとなる技を中心にお届けできない点をまず、書いておきます。全試合書くのが難しいので、写真を中心に届けていく回の方が多そうです。個人的には『一本』が多い方が素人に等しい自分にはわかりやすいと思いますが、実力が拮抗している大会のはずですから、判定が多いのは仕方ないと感じます。『かけ逃げ』っぽい技がほとんど無かったですし、さすが日本最高峰の大会です。

上水選手の内股

それを切る古田選手




結果
古田 昌直 × 旗判定(0-3) 上水研一朗

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