小林教室の撮影実習で出会った虫たち-1
ハーイ、私シジミ蝶よ。都会育ちなの〜。よろしくね。 おやつの時間帯なら、だいたい住宅街を飛び回っているわ〜。花壇が多くてお気に入りなの。 花見さん?えぇ、自然写真家の小林先生の生徒さんでしょ? 知ってるわよ。 いつだったか私を取り囲んでみんなで撮影していったけど、あんなに離れて写したら、かわいい私の姿が小さく写るんじゃない?って思ったわ。 小林先生のように私にやさしく話しかけてくれたら、私だって静かにポーズを取ってアップで写させてあげるのに、生徒さんたち慣れてないのね…。 |
|
ご機嫌よう。わたくし、国分寺万葉植物園のカマキリでざーます。 上のシジミ蝶さんの前に、実はわたくしを皆さんで撮影されたのでざーますのよ。 皆さん、熱心でいらっしゃるから、わたくし暫くじーっと静かに動かないでさしあげたのでざーます。 三脚をお忘れになった花見さんは、小林先生の三脚を借りて写して行ったざーます。 きっとピントも合っていたと思うざーます。 それなのに、顔が怖いと言って講評会には私を選ばなかったざーますのよ。オヨヨ…。 |
|
ハロー、僕はバラが大好きな西洋ミツバチさ。 君は神代植物園に行ったことある? いろんな種類のバラが咲いていて、それは見事なんだぜ〜!仕事するには最高の場所さ。 花見?あぁ、いつか来てたな…。 僕を見つけて一生懸命手持ちで撮影していたけど、途中で諦めて花を写し始めた…。 僕も若くてかわいい子にならサービスしちゃうけど、ちょっと好みじゃなかったから忙しいふりしてたんだ。 せめて、薔薇がきれいに写ってることを祈ってるよ。 |
|
僕、新宿御苑の池の近くに棲んでいるイトトンボです。 小林教室の撮影実習の日は大変でした。 僕を撮影していた小林先生のところへみんなが集まってきて、「先生、何写してるの?わ、トンボ!私も写したい」という声があちこちから聞こえたかと思うと、僕を取り囲んでしまったんです。 僕、怖くなって動けませんでした。 僕としては小林先生一人に写してもらいたかったんです。生徒さんじゃ、カッコよく写してくれそうにないでしょ? |
|
さっきの続きです。 これだけ写したらもう終わりかな?って思っていたら、小林先生が「こっちの赤い花を前ボケに入れて写した方が寂しくないかもね」なんて言い始めたんです。 さっき撮影が終わった生徒さんまでもう一度写し始めて、僕もう疲れちゃいました。 生徒さん達、近くでトンボを見たことがないんでしょうか? 僕を写しながら、「あー、目にちゃんとピントが合うわ〜」と喜んでました。 |
|
迷惑を被ったと言えば、やっぱオレでしょ? オレ、小石川植物園の奥のアジサイに居たところを、訳のわからないオヤジに捕われて、別のアジサイに移されたんですから…。 そのアジサイのそばには女性二人がカメラを持って待ち構えていて、「あら〜、カタツムリがいたらいいわねーってちょうど話していたところなのよ、ありがとう」なんて、そのオヤジに礼を言ってるんだ。 オレ、その紫陽花はアルカリ分が多くてあまり好きじゃなかったから隣の木に移ろうと動いたんですよ。 そしたら一人の女性がオレを捕まえて、「先に写していいわよ」って花見さんの前にあった葉っぱに乗せたんですよ。 オレ、アジサイの季節は別の場所へ移動することにしました。 |