66kg級
〜第25試合〜


赤:小室 宏二選手
(了徳寺学園・筑波大学大学院←筑波大学:163cm・66kg)
白:三輪 頼之選手
(福岡大学柔道クラブ:172cm・66kg)



1回戦を勝ち上がった三輪選手と、本日最初の試合となる小室選手が対戦です。最近では昨年の講道館杯初戦で対戦し、そのときは小室選手が優勢勝ちしています。

小室選手のお話ではそれ以前も対戦し、また練習でも顔を合わせたことがあるなど、手の内を知っている同士の試合となりました。


両選手、『始め』の合図と共に、何度か見合っての動きから距離を詰め、組み合います。三輪選手は右、小室選手は左です。喧嘩四つで典型的な、互いに釣り手を持ち合う形で、攻防が始まります。

引き手で軽く牽制しあいながら、0:12、小室選手はすぐに三輪選手の右釣り手の下に入る背負い投げを見せますが、三輪選手が体を切り離します。三輪選手は小室選手の間合いにつきあわず、「待て」です。

再び喧嘩四つです。小室選手は引き手争いに終始せず、すぐ右手で相手の襟を持ち、両襟を確保すると、軽くあおりながら、0:25に内股です。三輪選手の身体は浮きましたが、足で踏ん張ります。

小室選手は下になりますが、既に仰向けに寝転がっています。上になった三輪選手を寝技へと引き込みたいところですが、三輪選手は状態を引き離して距離を取り、「待て」です。

内股を得意とする三輪選手は引き手争いにこだわらず、技を出したいところです。小室選手がしたように強引に両襟を持ちますが、小室選手も返す刀で引き手を絞り返し、タイミングを計ります。

0:43に両膝をついての釣込腰を出します。が、三輪選手は間合いを外し、上から潰すと膝をつく小室選手に内股を出し、あおります。ここで、「待て」です。

両選手、同じ形で組み合いますが、引き手争いが激しくなります。弾きあい、指を持ち合い、離し、探り合う中の1:08、小室選手は再び右の背負いです。

これを三輪選手は巧く外し、体勢を立て直しながら小室選手の引き手を先んじて持ちますが、フリーハンドにはならず、両選手ついに引き手を持ち合います。

持った次の瞬間、1:11、小室選手は体を沈めて巴投げです。これは三輪選手が堪え、立った姿勢のまま「待て」です。

小室選手は釣り手を先に持ち、三輪選手は持ち返した刹那、小室選手は低く、得意の小内巻込で飛び込みますが、三輪選手も距離を取り、「待て」です。三輪選手は小室選手の間合いを外し、寝技に持って行かせません。

三輪選手、自身のリズムを作るように、積極的に講道館杯で見た足のフェイントを織り交ぜ始めますが、小室選手は二度目となる巴投げを1:32に見せます。これは非常にタイミングがよく、くるりと三輪選手は落ちます。

半身から捻り、倒れたときにはうつ伏せになって「効果」でしたが、「巴投げ→腕十字」に入りかけ、一度はいい形で上を取り極めに入れそうでした。三輪選手は巧みに身体を動かし、上になって小室選手を潰し、「待て」です。

両選手、互いに一息をつき、再開しますが、その前に、技がほとんど出ていない三輪選手に「指導」が与えられます。巴による「効果」と、この「指導」で、小室選手は「効果2つ」分、リードします。

三輪選手は先に両襟を持ち、再びフェイント、攻めに行く形を整えます。そのフェイントで動く右足に小室選手は足を掛け(小外か送足払)ます。三輪選手は右足を上げ、内股に変化しようとしますが、小室選手はここから斜めに捻り倒す巴を繰り出し(2:06)、相手の技を潰しつつ、自分の間合いに引き込みます。

バックを取ると首に腕を回し、絞めを狙って、体勢を整えていきますが、足を持ってひっくり返そうとしたところを「待て」です。と、ここまでで試合時間は2:18です。

三輪選手、積極的に足を飛ばしますが、その釣り手が小室選手の鼻に当たってか、「待て」です。三輪選手はこの後、1:29、組んですぐ内股を出しますが、片手なのであおる形となり、「待て」です。

三輪選手はすぐ両襟を持ち、1:21、内股で攻めますが小室選手に防がれます。あおったまま膝をついた小室選手の上を取ったのですが、しゃがんだときに脇に回りこまれ、逆に上を取られる結果となります。襟に手を回しながら小室選手はひっくり返しますが、「待て」です。

三輪選手は足を飛ばし、膝をついた小室選手はその足を持ち、「待て」です。同じようにすぐ両襟を持ち、内股を三輪選手は出そうとしますが、今度は小室選手に後ろに回られて潰れ、首を狙われながら一度、二度とひっくり返されます。

二度目にひっくり返したときに小室選手の絞めが深く入った感じでしたが、これは「待て」です。小室選手は畳を肘で叩きます。残り39秒。

先んじて三輪選手は仕掛け、足を今度も積極的に飛ばしますが、深くは出さず、小室選手の巴で間合いを崩され、「待て」です。片手の状態が続き、なかなか攻めきれず、少し離れたところで小室選手は3:50、両膝での背負い投げを出します。

「待て」の後、引き手を奪い合いながら、ここで試合終了です。

前半は小室選手のペースで進み、後半も三輪選手は技を出し始めますが、寝技を警戒してか、或いは十分な組み手をする前に小室選手に機会を潰されてか、深く飛び込む形での技が出ていませんでした。

小室選手は多彩に技を出していましたが、なんとなく去年より、審判の寝技を終わらせる時間が早い感じがしました。上になると「待て」が入るタイミングが何度かありました。

ひとつひとつの動きを追うと長く読みにくくなり、それを補正する写真の作成もPCの調子が悪く、うまくいきませんでした。なので次の試合からは千葉国体の時の書き方に切り替えます。